御器谷法律事務所

借地の承諾料の相場


1. 借地についての地主の承諾とは?
(1) 借地上に建物を建てるには?
 地主の所有する土地を利用して、その土地上に建物を建てる場合、地主との間で、土地の利用について合意が必要になります。
 このような合意により得られる土地利用のための権利を借地権といい、地上権(民法265条)の設定による場合と、賃借権(民法601条)の設定による場合があります。地主との間の契約内容により、地上権か賃借権かが決まりますが、多くの場合、賃借権の設定が行われています。
(2) 地主の承諾とは?
 借地上の建物を売ったり、人にあげたりする場合、建物とともに借地権も譲渡しなければ、その建物は土地についての正当な使用権のない建物となってしまいます。
 そこで、借地上の建物を売却する際には、建物とともに借地権も譲渡されることになります。
 借地権が地上権である場合、この権利を第三者に譲渡することができます。
 これに対して、借地権が賃借権である場合、この権利を第三者に譲渡するには、原則として地主の承諾が必要となります(民法612条1項)。そして、地主が無償では承諾しないと予想されるケースでは、借地人が承諾のための費用を支払って地主の承諾を求めることも多くあります。
 承諾料が折り合わない、地主が借地権の譲渡を強く拒んでいるなど、地主が借地人に対して承諾をしない場合には、裁判所に対して地主の承諾に代わる許可を求める申立て(借地借家法19条)の方法を採ることができます。

2. 承諾料の相場
(1) 借地権譲渡の承諾料
 裁判所に対して、地主の承諾に代わる許可を求めた場合、裁判所は、「当事者間の利益を図るため必要があるときは、賃借権の譲渡若しくは転貸を条件とする借地条件の変更を命じ、又はその許可を財産上の給付に係らしめることができる。」(借地借家法19条1項)とされています。
 そして、この承諾料の大まかな相場としては、東京地区では、借地権価格の約10%程度を一つの目安として、個々の事案の性質、旧借地人と新借地人の関係なども総合的に考慮して決定されているようです。
 借地権価格は、土地の価格に借地権割合を掛けて算出されます。借地権割合は、土地価格の5〜6割から8〜9割など、地域によって違ってきます。一般には、土地の価値が高い場合のほうが、借地権割合が高いといえる場合もあるでしょう。なお、借地権割合は、税務署の路線価格表に記載されていることもあります。
(2) 借地条件変更の承諾料
 地主と借地人の間で結ばれる当初の借地権設定契約の中で、建物の種類や構造または用途などを制限する特約がなされることが多くあります。
 このような特約があると、借地人は、木造建物を鉄筋コンクリートのビルにしたり、居住用の建物を営業用の建物に変更したりすることを、自由にできなくなります。
 なお、借地借家法が施行された平成4年8月1日以前からの借地関係には、旧借地法の適用があり、当事者がとくに建物の種類や構造を定めなかった場合には、借地権はビルなどの堅固建物以外の建物を所有する目的のものとみなされます。つまり、旧借地法下で設定された借地権では、建物の種類や構造に定めがない場合に、新たにビルなどの堅固建物を建築するためには借地条件の変更が必要になります。
 このような借地条件の変更についても、地主が承諾に応じない場合には、借地条件の変更の許可を裁判所に求める申立てをすることができます。そして、この場合にも、裁判所は、承諾料の支払いを条件に借地条件を変更することがあります。
 承諾料は、旧借地法下で非堅固建物から堅固建物に建物の構造を変更する際には、更地価格の10%程度の場合が多いようです。また、借地借家法の下での借地権では、ケースによりますが、更地価格の10%程度を一つの目安としつつ、これよりも低額になることも一部あるのではないかとも考えられます。
(3) 建物増改築の承諾料
 地主と借地人の間で結ばれる賃貸借契約書などでは、「賃借人が土地上に所有する建物を改築または増築する際には、賃貸人の承諾を要する。」などというかたちで、建物の増改築に地主の承諾が必要となっているケースがほとんどです。
 このような特約がある場合で、地主が増改築に承諾をしない場合には、借地人は裁判所に対して承諾に変わる許可を与えるよう申立てをすることができます。
 この場合にも、裁判所は地代の改定や増改築についての承諾料を同時に命じることが多く、また、承諾料の額は、更地価格の3〜5%程度で決着することが多いようです。

 この借地の承諾料の相場につきましても、遠慮なく当事務所にご相談下さい
      

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