御器谷法律事務所

扶養の変更、取消

1. 扶養の変更、取消
 民法第880条は、「扶養をすべき者若しくは扶養を受けるべき者の順序又は扶養の程度若しくは方法について協議又は審判があった後事情に変更を生じたときは、家庭裁判所は、その協議又は審判の変更又は取消しをすることができる。」と規定しています。
 これは、本来扶養関係が権利者や義務者の収入、資力、立場、健康状態等に応じて変動するものであり、一定の重要性のある事情の変更が生じたときは、家庭裁判所がその変更又は取消の審判をできることを明示したものです。

2. 請求異議の訴えとの関係
 例えば、扶養権利者が亡くなったり、離縁したり、法律改正等により扶養義務自体が消滅したときは、民法第880条による変更又は取消しの審判ではなく、請求異議の訴えにより対処すべきものとされています。
 つまり、従前の審判等による債務名義の請求権自体が消滅したときは、強制執行自体が違法なものとなり、請求異議の訴えで執行力を排斥することとなります。

3. 審判前の保全処分
 扶養に関する本件のような審判事件においても、当事者からの申立てがあり、家庭裁判所が相当と認めるときは、審判前の保全処分として、執行の停止を求めうる場合もある、との見解もあります(参照、家事審判規則第95条、第52条の2)。

4. 参考判例の紹介
 本件の参考判例としては、少々古いですが、福島家庭裁判所昭和40年4月28日付審判の扶養方法変更申立事件が参考となりますので、次のとおりご紹介申し上げます。
主文: 「当裁判所が昭和三九年(家)第三〇一六号扶養事件について昭和三九年一〇月二三日なした審判を次のとおり変更する。
 相手方三男正男は、昭和四〇年五月以降申立人を引取つて扶養し、その扶養期間中申立人に対し毎月末日限り同人の生活費として相手方長男松男は金四、〇〇〇円宛、相手方次男辰男は金二、〇〇〇円宛をいずれも申立人方に持参又は送金して支払うこと。」
理由: 「前件審判によつてきまつた申立人に対する扶養関係は変更しなければならなくなつたものであるが、幸い申立人の三男である相手方正男において申立人を放つておくわけにはゆかないから同人を引取つてもよい旨述べており、」
「相手方正男が申立人を引取つた場合、同人の生活費として相手方松男は毎月四、〇〇〇円程度、相手方辰男は同様二、〇〇〇円程度を支出することは可能であり、子として親に対しその程度の支出をなすべき義務があると言わなければならない。」

 この扶養の変更、取消につきましても、遠慮なく当事務所にご相談下さい
      

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