御器谷法律事務所

集団訴訟の現状

1. 集団訴訟の現状
 一般的には、共通の利害関係を有する者が、一つの訴訟において、共同原告となって訴訟を遂行する形態を指すものと考えられます。
 民事訴訟法上は、「訴訟の目的である権利又は義務が数人について共通であるとき」又は「同一の事実上及び法律上の原因に基づくとき」、その者を共同訴訟人として取り扱うものとし(同法第38条)、「共同訴訟」(同法第三章、第二節)の一形態となるでしょう。
 特に、訴訟や判例においては、同様の損害を被った多数の被害者が、その加害者に対して提起する訴訟を意味することが多くあります。
 
2. 集団訴訟の実例
 集団訴訟も様々なものがありますが、例えば次のような集団訴訟が判例や実務上も提起されています。
(1) 地域住民の集団的被害の回復
例えば、近隣に航空基地のある地域住民が、国等に対して、その騒音の発生により重大な損害を被っているとして、その差止めや損害賠償の請求をする集団訴訟としての国家賠償請求訴訟等があります。
(2) 多数の労働者の地位保全等の請求
例えば、多数の労働者がリストラにあったときには、その多数の労働者が労働組合の中心として、地位保全や賃金仮払いの保全処分や本案の訴訟提起等の申立をする集団訴訟等があります。
(3) 医療集団訴訟
例えば、薬害エイズ訴訟や薬害肝炎訴訟においては、多数の患者被害者が各地で集団訴訟を提起し、大手製薬会社のみならず国の責任をも追及し、一種の社会運動としての展開もありました。
(4) 投資被害集団訴訟
例えば、豊田商事事件や茨城カントリー事件等においては、数千人から1万人近い被害者がその被害の回復を求め損害賠償請求や破産の申立をしたこともありました。

3. 集団訴訟の現状と問題点
(1)社会に生起する多種多様な被害を目のあたりにしたとき、上記集団訴訟の実例では余りに被害の回復が図られることが数少ないものであるかを再認識せざるをえないものがあります。
 特に同様の被害を被りつつ、その被害回復のための具体的な動きになっていない多数の事例があります。
(2)しかも、そのような集団的な被害の発生について、日本の訴訟制度はそれに対処する制度が余りに少なく、且つ、実効性のないことに不満が残るものであります。
 特に日本では、アメリカのクラスアクション制度がなく、民事訴訟法第30条の選定当事者制度もその利用の実例に乏しく、消費者団体訴訟制度も適格消費者団体の認定や対象行為の限定によって、集団訴訟による集団的な被害の回復は極めて不十分なものにすぎないと言わざるをえないものであります。
(3)多数被害者の集団的な救済のため集団訴訟が機能的に効力を発揮するための立法的提言として、日弁連の集団的権利保護訴訟や独占禁止法への団体訴訟の導入等が主張されていますが、早急な展開を切望するものであります。
 この間webを利用して集団訴訟を効率的に運用し、又、多数被害者の救済に利用する動き等もあり、現行法の中での多数被害者の被害の早期回復をめざそうとの試みも見受けられるところであります。

 この集団訴訟の現状につきましても、遠慮なく当事務所にご相談下さい

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