御器谷法律事務所

電子契約特例法

(1) 法律の目的

 平成13年12月25日から「電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律」(電子契約特例法)が施行されています。
 同法は、電子契約について(1)市場における取引ルールの明確化、(2)国際的なインターネット市場におけるルールとの調和、(3)ネット上の消費者トラブルへの有効な救済措置の整備という観点から民法の特則を定めた法律です。

(2) 定義
 「電子取引契約」とは、消費者と事業者との間で電磁的方法により電子計算機の映像画面を介して締結される契約であって、事業者又はその委託を受けた者が当該映像面に表示する手続に従って消費者がその使用する電子計算機を用いて送信することによってその申込み又はその承諾の意思表示を行うものをいいます(電子契約特例法2条1項)。
 例えば、通販サイトの画面に従って住所やクレジットカードなどの情報を入力して、商品購入の申し込みを行った消費者が、通販サイトの画面に従って住所やクレジットカードなどの情報を入力して、商品購入の申し込みを行った場合です。
 「電子承諾通知」とは、契約の申込みに対する承諾の通知であって、電磁的方法のうち契約の申込みに対する承諾の通知であって、電磁的方法のうち契約の申込みに対する承諾をしようとする者が使用する電子計算機等(電子計算機、ファクシミリ装置、テレックス又は電話機)と当該契約の申込みをした者が使用する電子計算機等とを接続する電気通信回線を通じて送信する方法により行うものを言います(同条4項)。

(3) 法律の概要
ア 錯誤無効制度の特例
 企業対一般消費者間の電子商取引(B2C)においては、消費者が操作ミスにより行った意図しない契約の申込みが生じることもままあります。
 例えば、事業者により契約申込み前に申込み内容の確認機会が提供されなかった場合において、消費者がキャンセルボタンを押すつもりが誤って申込ボタンを押したり、買う数量を間違って入力してしまうということもあります。
 この場合、民法95条(錯誤)の規定を活用して、消費者は「著しい不注意(重過失)」がない場合には、事業者に対して契約の無効を主張できますが、操作ミスについては、消費者に重過失があったと事業者から反証されてしまい、結局、契約が無効とならない場合も多くなってしまいます。
 そこで、電子契約特例法では、電子消費者契約に関しては、事業者が操作ミスを防止するための措置を講じていない場合には、たとえ消費者に重過失があったとしても、操作ミスにより行った意図しない契約を無効とすることができるように措置されています(同法3条)。

イ 電子契約の成立時期の明確化(発注主義から到達主義へ)
 隔地者間の契約の成立時期は、郵便という時間のかかる手段を前提としているため、迅速な契約の成立を図る観点から、契約を承諾する者が承諾の通知を発した時点とされています(発信主義:民法第526条1項)。
 しかし、電子契約特例法では、インターネット等の電子的な方法を用いて承諾の通知を発する場合には、瞬時に意思表示が到達するため、その契約成立時期を、承諾の通知が到達した時点へと変更しています(同法4条)。
 これにより、例えば電子メールが不着の場合、発信主義のルールによると、承諾の通知の発信時点で契約が成立していると扱われるので、消費者がリスクを負うことになりますが、到達主義ルールに転換すると、承諾の通知が到着しない限り、契約は不成立なので、承諾の通知の不着のリスクは、逆に事業者が負うことになります。

この電子契約特例法につきましても、遠慮なく当事務所にご相談下さい

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