御器谷法律事務所

知財高裁で勝訴−職務発明対価請求控訴事件


 プレイステーション等の光ディスク用光学ピックアップに関する職務発明について、その元社員の方がソニー株式会社に対して、その相当な対価を請求していた訴訟の控訴審で、知的財産高等裁判所は、平成22年8月19日、原審を変更して、元社員勝訴の判決を言い渡しました。
 私達は、この元社員の代理人として訴訟を遂行してきました。
 訴訟は、本件発明実施の有無、独占利益の有無、仮想実施料率、ソニーの貢献度、共同発明者間における元社員の貢献、相当対価額、時効の起算点が主な争点となりましたが、当方の主張が大幅に認められた判決は、その点で評価できるものと思われます。しかし、上記争点についての各数字、特に相当対価額についてはかなりの低額であり、この点再検討の余地を考えざるをえないものであります。

<事案の概要>
 ソニーの元社員が、在籍中プレイステーション等の光学ディスク用ピックアップに関する職務発明につき、特許法第35条3項に基づき相当対価の内金である1億円を請求。

<原審>
 独占の利益がなく、3件の発明につき消滅時効として、元社員の請求を棄却。

<知財高裁−判決要旨>
 主文:ソニーは、元社員に対し、512万円余を支払え
  1. 争点1−本件発明実施の有無
     ソニーは、本件光学ピックアップにおいて、本件発明AないしCを実施している。

  2. 争点2−独占の利益の有無
     ソニーは、本件光学ピックアップを製造・販売することにより、一定程度の「超過利益」を得ていたというべきであり、「超過売上げ」の割合は3分の1であった。

  3. 争点3〜6−貢献度、相当対価額
     相当対価は、対象商品の売上合計額×超過売上げの割合×仮想実施料率×(1−ソニーの貢献度)×共同発明者間における元社員の貢献度、によって算定するのが相当である。
     本件では、ソニーの貢献度97%、共同発明者間における元社員の貢献度は、AないしDにつき3分の1、Eにつき6分の1。
     相当対価額は570万円余となり、既払分58万円余を控除して512万円余となる。

  4. 争点7−消滅時効の起算点
     ソニーが本件発明D,Eにつき、日本国内で特許出願して、特許登録を得た後、1年ごとの審査のための特別表彰の推薦が行われた平成9年3月ころに初めて、日本での特許登録に基づく特別褒賞の請求が可能になったというべきである。
 この知財高裁で勝訴−職務発明対価請求控訴事件につきましても、遠慮なく当事務所にご相談下さい

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