御器谷法律事務所

グリーン購入法

1. グリーン購入法とは、
 グリーン購入法は、正式名称を「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律」といい、平成12年5月24日に成立し、平成13年4月1日から全面施行されました。
 環境への負荷の小さい物品・役務を優先的に購入することによって、事業者によるこれらの物品・役務の供給を促進しようとすることを「グリーン購入」といい、グリーン購入法は、主に、国等の機関によるグリーン購入について定めた法律です。

2. 概要
(1)環境物品等
グリーン購入法において「環境物品等」とは、次のいずれかに該当する物品又は役務のことをいいます(2条1項)。
再生資源その他の環境への負荷の低減に資する原材料又は部品
環境への負荷の低減に資する原材料又は部品を利用していること、使用に伴い排出される温室効果ガス等による環境への負荷が少ないこと、使用後にその全部又は一部の再使用又は再生利用がしやすいことにより廃棄物の発生を抑制することができることその他の事由により、環境への負荷の低減に資する製品
環境への負荷の低減に資する製品を用いて提供される等環境への負荷の低減に資する役務

(2)責務

グリーン購入法はグリーン購入を促進するため、関係者の責務を定めています。
ア. 国及び独立行政法人等の責務(3条)
 国及び独立行政法人等は、物品及び役務の調達に当たっては、環境物品等への需要の転換を促進するため、予算の適正な使用に留意しつつ、環境物品等を選択するよう努めなければならないとされています。
 また、国は、教育活動、広報活動等を通じて、環境物品等への需要の転換を促進する意義に関する事業者及び国民の理解を深めるとともに、国、地方公共団体、事業者及び国民が相互に連携して環境物品等への需要の転換を図る活動を促進するため必要な措置を講ずるよう努めなければならないとされています。
イ. 地方公共団体及び地方独立行政法人の責務(4条)
 地方公共団体は、その区域の自然的社会的条件に応じて、環境物品等への需要の転換を図るための措置を講ずるよう努めるものとされています。
 また、地方独立行政法人は、当該地方独立行政法人の事務及び事業に関し、環境物品等への需要の転換を図るための措置を講ずるよう努めるものとされています。
ウ. 事業者及び国民の責務(5条)
 事業者及び国民は、物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合には、できる限り環境物品等を選択するよう努めるものとされています。

(3)国等によるグリーン購入について
ア. 国による基本方針の決定(6条)
 まず、国は、環境物品等の調達の推進に関する基本方針を定めなければなりません。
  基本方針で定められる事項は、
国及び独立行政法人等による環境物品等の調達の推進に関する基本的方向
国及び独立行政法人等が重点的に調達を推進すべき環境物品等の種類及びその判断の基準並びに当該基準を満たす物品等の調達の推進に関する基本的事項
その他環境物品等の調達の推進に関する重要事項です。
 そして、環境大臣は、あらかじめ各省各庁の長等と協議して基本方針の案を作成し、閣議の決定を求めなければならず、また、基本方針について閣議の決定があったときは、遅滞なく、基本方針を公表しなければならないとされています。
イ. 基本方針に基づく調達方針の作成と調達(7条)
 各省各庁の長及び独立行政法人等の長は、毎年度、内閣によって決定された基本方針に即して、物品等の調達に関し、当該年度の予算及び事務又は事業の予定等を勘案して、環境物品等の調達の推進を図るための方針を作成しなければなりません。
調達方針では、定められる事項は、
特定調達物品等の当該年度における調達の目標
特定調達物品等以外の当該年度に調達を推進する環境物品等及びその調達の目標
その他環境物品等の調達の推進に関する事項です。
 そして、各省各庁の長及び独立行政法人等の長は、調達方針を作成したときは、遅滞なく、調達方針を公表しなければならず、この調達方針に基づき、当該年度における物品等の調達が行われます。

(4)地方公共団体及び地方独立行政法人による環境物品等の調達の推進(10条)
 都道府県、市町村及び地方独立行政法人は、毎年度、物品等の調達に関し、当該都道府県及び市町村の当該年度の予算及び事務又は事業の予定等を勘案して、環境物品等の調達の推進を図るための方針を作成するよう努めるものとされています。
 この方針は、都道府県及び市町村にあっては当該都道府県及び市町村の区域の自然的社会的条件に応じて、地方独立行政法人にあっては当該地方独立行政法人の事務及び事業に応じて、当該年度に調達を推進する環境物品等及びその調達の目標について定めるものとされ、この場合において、特定調達品目に該当する物品等については、調達を推進する環境物品等として定めるよう努めるものとされています。
 そして、各省各庁の長及び独立行政法人等の長は、第一項の方針に基づき、当該年度における物品等の調達を行うものとされています。

(5)環境物品等の調達の推進に当たっての配慮(11条)
 国、独立行政法人等、都道府県、市町村及び地方独立行政法人は、環境物品等であっても、その適正かつ合理的な使用に努めるものとし、この法律に基づく環境物品等の調達の推進を理由として、物品等の調達量の増加をもたらすことのないよう配慮するものとされています。

(6)環境物品等に関する情報の提供(12条から14条)
 物品の製造、輸入若しくは販売又は役務の提供の事業を行う者は、当該物品の購入者等に対し、当該物品等に係る環境への負荷の把握のため必要な情報を適切な方法により提供するよう努めるものとされています。
 また、他の事業者が製造し、輸入し若しくは販売する物品若しくは提供する役務について環境への負荷の低減に資するものである旨の認定を行い、又はこれらの物品若しくは役務に係る環境への負荷についての情報を表示すること等により環境物品等に関する情報の提供を行う者は、科学的知見を踏まえ、及び国際的取決めとの整合性に留意しつつ、環境物品等への需要の転換に資するための有効かつ適切な情報の提供に努めるものとされています。
 さらに、国は、環境物品等への需要の転換に資するため、前二条に規定する者が行う情報の提供に関する状況について整理及び分析を行い、その結果を提供するものとされています。

3. 問題の所在
 物品の調達にあたっては、グリーン購入法に基づいて特定調達品目及びその判断の基準が定められ、国等はその基準を満たす商品を優先して購入することになります。紙類については、情報用紙としてコピー用紙、フォーム用紙、インクジェットカラープリンター用塗工紙、ジアソ感光紙を、印刷用紙としてカラー用紙とそれ以外を、衛生用紙としてトイレットペーパーとティッシュペーパーを特定調達品目としています。そして、それぞれの品目について判断の基準と配慮事項が決定されています。例えば、コピー用紙では判断基準の一項目として、古紙パルプ配合率100%かつ白色度70%程度以下であることなどと決められています。
 しかし、ある製品がこの基準を満たしているかどうかについてはメーカーの申告にゆだねられており、調達者によって確認や検証がなされていないという問題が指摘されています。そして、グリーン購入法には罰則がなく、これに違反しても処罰されません。

 このグリーン購入法につきましても、遠慮なく当事務所にご相談下さい

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