御器谷法律事務所

温泉と法律

1.温泉と法律
 温泉と法律や裁判というものは一見すると余り縁がないように思われるかもしれません。
 しかし、私達が弁護士として様々な紛争を処理する際においては、この温泉が様々な法律や裁判と深く関わりを持つことが多く見受けられます。
 そのような事柄の中でも特に気付いた点として、温泉法や温泉権、温泉にかかわる表示等について述べてみます。

2. 温泉法
 温泉に関する法律としては「温泉法」という法律が既に昭和23年に制定されています。この温泉法は、その第一条においてこの法律の目的を「温泉を保護し、その利用の適正を図り、公共の福祉の増進に寄与すること」としております。
 また、温泉法においては、温泉を次のように定義しております。つまり、温泉とは、「地中からゆう出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く)で、別表に掲げる温度もしくは物質を有するものをいう」とされています。
 そして、温泉に関する基本的な事柄が、この温泉法において定められているものであります。

3. 温泉権
 別荘の購入などの際に、温泉権ないしは温泉引湯権が付けられているとの記載を見かけることがあるかと思われます。このように、別荘地においては温泉が付いているか否かによって、その価値が左右されることがあります。
 この温泉権ないしは温泉引湯権と呼ばれるものは、一般的には、温泉を利用する権利として温泉の湧出地から温泉を引く権利として慣習法上その存在が認められている権利とされており、このような温泉権ないしは温泉引湯権は取引の対象としても重視されているものであります。

4. 水質汚濁防止法と温泉
 水質汚濁防止法とは、「工場及び事業場から公共用水域に排出される水の排出・・・を規制する・・・こと等によって、公共用水域・・・の水質の汚濁の防止」を図ることを目的として制定された法律です。
 この法律が温泉の成分の一種であるふっ素やほう素を規制の対象とするため、水質汚濁防止法が温泉に如何なる形で適用されるのか否か、あるいは温泉は天然の成分を対象とするため同法の適用につき別途の考慮があるか否か等につき疑義ないし問題があるとの指摘があります。

5. 温泉の表示
 温泉を利用する一般消費者としては、それが真に温泉なのか否かについて重大な関心を有するものであります。
 そこで、公正取引委員会などが中心となって、景表法ないしは公正競争規約等において、温泉の表示に関して利用者の見地からその表示や広告等を適正化するための制度が設けられています。
 特に、この温泉に関する表示については、旅行業者にとって温泉に関する旅行のパンフレット等にどのように温泉の表示をするのか等について、公正競争規約等において定めがなされております。
 また、公正取引委員会においても、温泉の表示に関する実態を調査し、これを報告書という形で公にしている例があります。

6. 温泉法改正へ
 今後、温泉法を改正し、将来的には温泉旅館等の業者に10年ごとに温泉の成分を分析することを義務づけることになる可能性があります。

7. その他
 私達弁護士においても、温泉に関わる問題は一般国民にとっても極めて身近な存在であり、且つ、それが財産的価値をも有するものとして様々な紛争の対象ともなり、また、温泉に関わる問題が裁判の場でも争われることがあり、弁護士としても興味の対象となっているものであります。
 裁判例などを見てみますと、温泉の掘削権の不許可処分の取消を求める行政訴訟の裁判例があったり、または、温泉引湯権ないし温泉利用権が請負契約といかなる関連を有するかについての裁判例等もあり、温泉をめぐる問題等については様々な形で裁判となっている例を見かけるものであります。

 この温泉と法律につきましても、遠慮なく当事務所にご相談下さい

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