御器谷法律事務所

投資法人

1. 投資法人とは、
 投資家から資金を集め、それを有価証券や不動産等に対する投資として運用することを目的として設立された法人のことです。しかし、投資法人自体は、法律により、出資者のために投資を行うことしかできないこととされています。つまり、投資法人は、投資家から集めた資金を有価証券や不動産等に投資し、その収益を投資家に配当する業務しか行うことができず、実際の運用資産の保管や一般事務等の業務は外部に委託しなければならないことになっています。

2. 投資法人の設立手続きの概要
 投資法人は、「投資信託及び投資法人に関する法律」(一般的には「投資信託法」と呼ばれています。)に基づいて設立されます。投資法人を設立するには、まず、設立企画人(株式会社を設立する場合の「発起人」にあたります。)が、規約の作成を行い(投資信託法66条1項)、投資法人の目的、商号、発行可能投資口総数、設立に際して出資される金銭、最低純資産額、資産運用の対象及び方針、分配方針等について定めます(同67条1項)。なお、投資法人の設立に必要な出資総額は1億円以上とされています(同68条)。
 投資法人は、設立の登記をすることによって成立します(同74条)が、設立企画人は設立の登記に先立ち、投資法人を設立しようとする旨並びに設立時執行役員(詳しくは後述)の候補者の氏名及び住所を内閣総理大臣に届け出る必要があります(同69条1項)。また、設立した後、実際に資産の運用を開始するには、内閣総理大臣の登録を受ける必要があります(同187条)。

3. 投資法人の機関
(1)投資主
 投資主とは、株式会社でいう「株主」にあたり、同じく「株式」に相当する「投資口」を保有する投資法人の社員のことをいいます(投資信託法2条16項)。
 なお、投資主は投資口を自由に譲渡でき(同78条1項)、投資法人は投資口の譲渡について制限を設けることができません(同条2項)。
(2)投資主総会
 投資主総会とは、株式会社でいう「株主総会」にあたるもので、投資信託法又は規約によって定められた事項に限り、決議することができます(投資信託法89条1項)。投資信託法では、執行役員、監督役員及び会計監査人の選任・解任、規約の変更、資産運用業務委託契約の承認、投資法人の解散・合併を、投資主総会の決議事項とされています。
(3)執行役員及び監督役員
 投資法人は、投資主総会で選任された執行役員と監督役員によって運営されます。執行役員は投資法人の業務を執行し、投資法人を代表します(投資信託法109条1項)。
 監督役員は、執行役員の職務を監督します(同111条1項)。
(4)役員会
 役員会は、全ての執行役員と監督役員によって構成され(投資信託法112条)、執行役員の職務の執行を監督します(同114条1項)。役員会は、執行役員に、職務上の義務違反や職務の懈怠等がある場合には、解任することもできます(同114条2項)。また、執行役員が、一定の重要な職務を執行しようとする場合には、役員会の承認が必要となります(同109条2項)。

4. 投資法人の仕組み
 投資法人は、実際の資産運用については、運用会社に資産運用業務を委託しなければなりません(投資信託法198条1項)。したがって、投資法人自体は運営方針を決定するのみで、実際の資産運用は運用会社が行うこととなります。
 例えば運用の対象が不動産である場合、委託を受けた運用会社は、まず投資の対象とする不動産の選定を行います。その決定に従って投資法人が不動産を購入すると、運用会社は更に、その不動産をどういう条件で賃貸するのか、といった賃貸戦略を決定した上で、その戦略に従い、投資した不動産を実際にテナントに賃貸して賃料収入を得ます。
 投資法人は、このようにして獲得した不動産の運用利益(賃料収入)から不動産の維持・管理に要した費用や金利を支払い、残った利益を投資主に分配します。


5. J−REIT
 上の例のように、不動産等(不動産そのものの他、不動産の賃借権や地上権、これらの信託受益権等を含みます。)に投資することを目的とする投資法人や投資信託のことをJ−REIT(Japanese Real Estate Investment Trust、ジェイ・リート)と呼ぶことがあります。米国における不動産投資信託がREIT(リート)と呼ばれていることから、その日本版という意味で、このように呼ばれます。
 平成12年5月に行われた投資信託法の改正により、投資信託の運用対象として不動産が認められた(それ以前は有価証券に限定されていました)ことで誕生した投資信託です。J−REITの登場によって、資金面の問題や流動性の確保の問題がクリアされ、不動産は個人投資家にとっても身近な投資対象となりました。

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