御器谷法律事務所

労働契約承継法

1. 労働契約承継法とは、
 「会社分割に伴う労働契約の承継等に関する法律」の略称で、平成12年5月31日に成立し、平成13年4月1日より施行されています。
 会社分割が行われる際には、元の分割会社で働いていた従業員が会社分割により新設分割会社や吸収分割会社において、そのまま働けるか、その労働条件に変更はないのか、労働協約は引き継がれるのか等の問題が生じます。
 特に従前より会社における従業員の出向や転籍においては、包括的にせよ個別的にせよ従業員の同意を要するとの判例や実務の取扱い上、会社分割の場合の従業員の保護をどのように図るのかという問題があります。
 そこで、この労働契約承継法においては、労働者への通知、主従事者等への承継、労働協約の承継等の規定を設け、会社分割における労働者の保護を図っています(同法第1条)。

2. 労働者等への通知と承継
(1) 会社は、会社分割(吸収分割又は新設分割)をするときは、承継される事業に主として従事する労働者及び分割契約書等に労働契約を承継するものとして定めのある労働者に対して、会社分割の承認をする株主総会等の2週間前までに、分割契約書等における承継の有無や異議申立期限等を書面により通知しなければなりません(同法第2条)。
(2) 承継される事業に「主として従事」している労働者は、分割契約等に承継会社等が労働契約を承継する旨を定めているときは、当該承継会社等に承継されます(同法第3条)。
(3) 承継される事業に「主として従事」している労働者のうちで、労働契約を承継会等が承継する旨の定めがない者は、異議申立期限までに、書面にて、異議の申し出ができます(同法第4条1項)。
 そして、この者が異議を申し出たときは、労働契約は承継会社等に承継されるものとされます(同条4項)。
(4) 承継される事業に「主として従事」している労働者以外の者で、分割契約書等にその労働契約が承継会社等に承継される旨の定めがある者は、異議申出期限日までに、書面にて異議を申し出ることができます(同法第5条1項)。
 そして、この者の異議の申し出により、労働契約は承継会社等に承継されないものとされます(同条3項)。

3. 労働協約の承継
(1) 会社は、会社分割をするに際して、労働組合と労働協約を締結しているときは、労働組合に対し、通知期限日までに、労働協約を承継会社等に承継する旨の有無等の分割契約等の事項を、書面にて通知しなければなりません(同法第2条2項)。
(2) 労働契約に労働組合法第16条の基準以外の部分(債務的部分)の定めがあり、分割契約等により承継会社等に承継させる合意があったときは、承継会社等に承継されるものとされます(同法第6条2項)。
(3) 労働協約のうち労働条件その他の労働者の待遇に関する基準(規範的部分)は、組合員の労働契約が承継会社等に承継されるときは、承継会社等と労働組合との間で当該労働協約(前項の合意部分を除いて)と同一の内容の労働協約が締結されたものとみなされます(同条3項)。

 この労働契約承継法につきましても、遠慮なく当事務所にご相談下さい

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