御器谷法律事務所

契約 - ローン解約条項

1. 意義
 ローン解約条項とは、一般的には、不動産の売買契約に付帯した条項の一つで、不動産購入のため銀行等からの融資(ローン)が受けられなくなった場合には、契約を無条件で解約し白紙に戻し、手付金も返還する旨を条項に定めるものをいいます。

2. ローン解約条項を設ける理由
 不動産取引において、買主が金融機関から予定していたローンが実行されない場合に備えるものです。契約書にローン解約条項が入っていれば、融資がされない場合には、買主は契約を解除できます。その場合、解除をした当事者が債務不履行責任(契約違反)を負うことはありません。
 しかし、ローンが実行されなかったことについて買主に責任がある場合は、通常、手付金は違約金(損害賠償の予定)を兼ねている場合が多いので、手付金が没収されることがあります。
 それではどのような場合に買主に責任が認められるのでしょうか。今まで、判例で問題になった事例としては以下のようなものがあります。

3. 判例
(1) 買主の責任が肯定され解約が認められなかった事例(東京地方裁判所 平成10年5月28日判決)
 姉妹で不動産を購入し、姉が住宅ローン申し込んだところ、妹が連帯保証を拒み、かつ姉の高血圧のため団体信用生命保険が拒否された場合にローンが実行されなかったのは買主の側の責に帰すべき事由によるものとしてローン解約が認められなかった事例

(2) 買主の責任が否定され解約が認められた事例(東京地方裁判所 平成9年9月18日判決)
 居住用土地建物の売買契約を締結し、手付金を支払った買主が、その後、金融機関から融資を断られたため、売買契約中のローン特約に基づいて売買契約の解除と手付金の返還を求めたところ、買主の責めに帰すべき事由があるかが争われた事例。
 判決では1)買主は融資を受けるべく、直ちに銀行の各支店等にローンの申し込み手続きを積極的に行ったこと、2)買主は、少なくとも信用金庫、銀行などに対し、住宅ローンの申し込みを行ったが、いずれも融資基準に満たないとして断られたこと、3)買主は他者の助言に基づき、ローン審査が通りやすいようにするため、共済組合からの借入予定事実を殊更伏せる等して融資が受けられるよう努めていること(相当な行為かどうかは別問題)等の事実に照らすと、買主が本件合意による本件ローン特約の延長期限までに融資を受けられなかったとしても、真摯な努力を尽くしており、買主の責めに帰すべき事由により融資が拒絶された場合には当たらないとして、買主の解約の主張を認めました。

 このローン解約条項につきましても、遠慮なく当事務所にご相談下さい
      

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