御器谷法律事務所

医療ミスでは?

 患者や家族の方から医療問題についての相談を受けることがあります。その際、医師側の過失、落ち度などについて感情的な不満、ご意見等を強く申し述べられることがありますが、そんなときにおいても医師側の落ち度、過失を根拠づける証拠が必要となってきます。
 特に医療問題においては医師側にほとんど全ての証拠が偏在することから、医療訴訟においては、証拠をいかに多く且つ有効に収集するかが重大なポイントとなってきます。
 以下では治療段階、解剖、証拠保全、方針の検討について述べます。
 
1. 治療段階において
(1) 医療ミスが疑われる場合においては、医師側の治療経過、治療方針等について医師や看護師の説明などについては、何時、何処で、具体的にどのような発言があったかを時系列を追って具体的に記載しておくことが必要となってきます。これは日記形式やメモでの記載で十分です。
 なお、患者が何時、どのような容態であったかも可能な限りで、その体温や脈拍、発汗の状況、痛みの具合、尿や排便等について具体的に記載しておいた方がよろしいと思われます。
(2) 最近では、医師側においては治療方針を書面にて患者側に渡すこともあり、それについての説明も可能な範囲で詳細に受けておいた方がよろしいと思われます。
 なお、診断書や領収書、レセプト控などについても保存しておくことが必要です。
 なお、当然ながら担当の医師や看護師の氏名、病室の同室者の氏名等も可能な限りひかえておくべきです。
(3) 医療ミスが疑われる場合においては、可能な範囲でボイスレコーダーやテープレコーダー、デジタルカメラ等においてその生の証拠を収集しておくことが望ましいと考えられます。
(4) 不幸にして患者が死亡するに至った場合においては、医師から説明がなされる場合がありますので、その場合においては可能な範囲でボイスレコーダーやテープレコーダーでその医師の説明を録音しておいた方がよろしいと思われます。
 
2. 解剖について
 患者が死亡した場合においては、家族としては感情的に非常に辛く、且つ時間的余裕もほとんどないことから、解剖については非常に躊躇を感じることが多くあると思われます。
 しかし、医療ミスが疑われる場合においては、解剖が患者の死因を解明するために不可欠な事柄であることも事実であります。
 したがって、可能な範囲で解剖を求めることが要請される場合があると考えられます。
 解剖には一般的には次のような種類があるとされております。
(1) 病理解剖−これは病気で亡くなった患者の死因等を解明するための解剖で、遺族の同意のもと一般的には治療を行った病院でなされることが多いと思われます。
(2) 行政解剖−これは伝染病や水死、災害等により死亡した疑いのある遺体につき、その死因を明らかにするために行われる、監察医の行う解剖のことです。不自然死や交通事故による死亡を対象とします。
(3) 司法解剖−これは犯罪に関係する疑いのある遺体につき、裁判所の命令ないしは捜査機関の嘱託によって行う解剖のことです。主に大学の法医学教室において行われるとされています。
 医療ミスが疑われるケースにおいては、当該治療を行った病院における病理解剖ではなく、犯罪捜査のための司法解剖を求めることが要請される場合もあるかと思われます。このような場合には、警察に通報して司法解剖を求める手続をするのも一方法と考えられます。
 
3. 証拠保全
 この証拠保全については、別項の証拠保全手続をご参照下さい。
 証拠保全手続によって確保した診療録、手術録、看護記録、レントゲン、レセプト控などについて協力医において検討してもらい、その意見も踏まえて、今後の方針につき依頼者と弁護士、協力医が打ち合わせをしてその方向性を決めることになってきます。
 なお、その際においては、この協力医の意見書とともに医学文献や診療記録等を精査し、且つ、同種事案についての判例を検討することになってきます。
 
4. 方針の打ち合わせ
 以上のように収集した証拠をもととして、医療ミスと疑われる事実についてその原因を究明し、この点につき現在の医療水準からして医師側の過失の具体的内容を究明、確定させていくことが必要となってきます。
 このような今後の方針の打合せを通して、その後医師側に対して質問書を提出し、それに対する回答ないし説明会等を求めることが考えられます。さらにそこから進んで示談交渉ないし民事調停の申立等が考えられ、なお、医師側との主張、見解が相違する場合においては医療訴訟(損害賠償請求訴訟)を提起することが考えられます。

 この医療ミスにつきましても、遠慮なく当事務所にご相談下さい

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