御器谷法律事務所

NPO法人

1.NPO法人とは、
(1)意義
 NPOとは、Non Profit Organization(非営利組織)の略です。
 NPO法人とは、これに法人格を付与したものです。
(2)根拠法令
 特定非営利活動促進法(以下「NPO法」という。)という法律に基づいて、特定非営利活動法人を設立します。これが冒頭の「NPO法人」にあたります。
(3)趣旨・目的
 「ボランティア活動をはじめとする市民が行う自由な社会貢献活動としての特定非営利活動の健全な発展を促進し、もって公益の増進に寄与することを目的」としています(NPO法1条)。
 例えば、あなたが「大学で学んだ介護福祉の知識を生かして、慈善事業として介護福祉をやりたい!」と思ったとしましょう。しかし、
あなた個人の名前では、あなたに賛同してくれる仲間を募集しようとしても、なかなか集まらないかもしれません。
あなた個人の名前では、業者から高い車イスを購入しようと思っても、多額の取引になるためになかなか信用してもらえないかもしれません。
あなた個人の名前では、行政も補助金を出してくれないかもしれません。
あなた個人の名前では、お客さんの送り迎えにも使っている自動車など、事業のための財産なのかあなた個人の財産なのか区別がつきません。
あなた個人の名前では、いくら慈善事業のためにやっているとしても、事業で得た収入を将来のために取っておこうと思っても、多額の税金がかかってくるかもしれません。
これらの問題を解決する方法の1つとして、NPO法人を設立するという方法があります。NPO法人という団体を設立して、その団体をあなたが他の人とともに運営するという形にするのです。
一般に、
・ NPO法人を設立すれば、社会的信用が増大する。
・ NPO法人を設立すれば、行政からの補助金も得やすくなる。
・ NPO法人を設立すれば、事業用の財産を区別して管理することができる。
・ NPO法人を設立すれば、税制優遇措置が得られる。
などの利点があると言われています。
(4)公益法人との違い
 公益法人も、公益目的のために設立される非営利の法人であるということができると思いますが、NPO法人は、設立に際して種々の制限がある(目的が限られている、など)代わりに簡易に設立することができる(主務官庁は要件が充足されていれば必ず許可しなければならない=準則主義、など)点に違いがあります。
(5)NPO法成立の経緯
 平成7年の阪神淡路大震災をきっかけに市民のボランティア活動が盛んになっていく中、こうした活動を促進する法制度の必要性が訴えられるようになり、平成10年成立、平成12年施行となりました。
 内閣府によれば、2007年9月30までに32630法人が設立されています。

2. NPO法人の設立
(1)設立にあたっての制限
 NPO法は上のような目的をもつ法律であることから諸々の制限を置いています。
 まず、活動目的が制限され、保健福祉・教育・まちづくり・学術振興などの特定の目的をもった(NPO法別表参照)、不特定多数の人の利益の増進に寄与するものでなければなりません(NPO法2条1項)。
 また、営利活動をしてはいけません(NPO法2条2項1号)。といっても、事業外の活動で収入を得て、それを事業のために使う分には問題ありません。
 なお、宗教・政治・選挙活動をすることはできません(NPO法2条2項2号)。
(2)設立手続
 NPO法人の設立を促進する趣旨から、一般の公益法人や会社に比べて、設立手続は簡易化されています。
設立総会→設立申請書類作成→内閣府・都道府県の認証、公衆縦覧→法人設立登記
 NPO法人の設立は、設立総会で定款、役員などのNPO法人の設立に関する基本事項を決議した後、申請書類を作成します。申請書類には、定款、役員名簿、事業計画書などがあり、これを都道府県知事もしくは内閣総理大臣に提出して認証を受けなければなりません(NPO法10条1項)。
 同時に、これらの書類は公告して、2ヶ月間公衆の縦覧に供します。
 なお、申請書類は都道府県や内閣府でひな形をダウンロードすることができます。例えば、内閣府http://www.npo-homepage.go.jp/found/npo_guide.html参照。
(3)期間
 申請書類が問題なく受理された場合、都道府県・内閣府の認証は4ヶ月以内とされ(公衆縦覧期間2ヶ月を含む)、その後2週間以内に設立登記をしなければならないとされていることから、順調にいけば、5ヶ月から半年前後の期間が必要となります。
(4)費用
 設立手続については、書類作成費用がかかるだけで、認証手数料や登記費用はかかりません。書類の作成を専門家である弁護士や司法書士に依頼すれば相応の費用がかかります。
 また、NPO法人の設立にあたっては、事実上ある程度事業のための資金を用意しておく必要があるかと思いますが、(旧会社法の最低資本金制度のように)法律上設立時にNPO法人に資金があることは要求されていません。

3. NPO法人の運営
(1)組織
 NPO法人は次のように構成されています。
・ 社員:NPO法人を構成するメンバー(従業員を意味する「社員」とは異なる)
・ 社員総会:全社員で構成される、法人の重要な意思決定を担う機関
・ 理事(3名以上):法人の業務執行を担う機関
・ 監事(1名以上):法人の業務を監査する機関

(2)意思決定の方法
 定款に別段の定めを置かない場合には、法人の業務執行に関する意思決定については、理事の過半数で決定します(NPO法17条)。
 定款変更や解散、合併など、法人の重要事項に関する意思決定については、社員総会の決議によって行います(NPO法25条、31条1号、34条)。定款で別段の定めを置けば、その事項を社員総会の決議を要する事項とすることができます。
(3)活動
 法人の業務執行は理事が各自単独で行うことができます(NPO法16条本文)。
 ただし、定款で理事の代表権を制限することができます(同条但書)。
(4)設立後の事業報告書等の提出・公開
 NPO法人は、設立後も毎年都道府県知事または内閣総理大臣に一定の書類を提出して公開しなければいけません(NPO法29条)。
 その書類とは、事業報告書・財産目録・貸借対照表・収支計算書・役員名簿・社員名簿などです。さらに、定款変更を行った場合には、変更された定款なども必要になります。
 このようにして提出された書類は、公開されます。
(5)NPO法人の会計
 NPO法人は、当然適正な会計処理がなされなければならず、そのため、次のような書類を作成することが義務付けられています(NPO法27条)。
 その書類とは、財産目録・貸借対照表・収支計算書などです。

 このNPO法人につきましても、遠慮なく当事務所にご相談下さい

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