御器谷法律事務所

NTT法の概要

第1. NTT法とは
 「NTT法」とはNTT(日本電信電話株式会社)およびNTT東西地域会社(東日本電信電話株式会社、西日本電信電話株式会社)の設立意図、業務内容などを定めた法律をいいます。もともとの名称は「日本電信電話株式会社法」であり、再編成前のNTTの企業活動を規制していました。しかし、NTT再編成をにらみ1997年に大幅に改正され、現在の正式名称は「日本電信電話株式会社等に関する法律」です。
 NTT法は、1984年12月20日に成立(同月25日公布)以来平成22年まで、14回にわたって改正がされています。
 NTT法の目的は今後における社会経済の進展及び電気通信分野における技術革新等に対処するため、日本電信電話公社を改組して日本電信電話株式会社を設立し、事業の公共性に留意しつつ、その経営の一層の効率化、活性化を図ろうとするものであります。
 
第2. NTT法の改正
 主な改正は以下の通りです。
1. 1997年6月
 本件改正は、純粋持株会社であるNTTおよびNTT東西地域会社への移行に備えてのものです。これにより地域会社の株式を100%保有する持株会社、都道府県内電気通信業務を担う地域会社の立場を規定することとなりました。
 改正の趣旨は、NTTをNTT、NTT西日本、NTT東日本、及び長距離会社に再編成し、公正有効競争の促進を図るとともに、日本電信電話株式会社の国際通信業務への進出を実現することにより、国民の電気通信役務に対する多様な需要への対応を可能とすることにあります。

2. 2001年6月
 本件改正は、「地域電気通信業務等の円滑な遂行に支障を及ぼすおそれがない」「電気通信事業の公正な競争の確保に支障を及ぼすおそれがない」という条件をクリアすれば、総務省が認可のもとにNTT東西地域会社のインターネット上のサービスなど新たに業務範囲を拡大することができるよう改められました。
 改正の趣旨は、「市場支配的な」力をもつ通信事業者による、競争を妨げるような行為を防ぐための規制を設けることと、東日本電信電話株式会社、西日本電信電話株式会社が、これまでは認められていなかった分野の事業に参入できる道を開くことにあります。
 NTT東西地域会社はこの改正法の施工以後は、インターネット事業にも進出できるようになり、新たに規制をかける一方で、従来禁止されてきた事業ができるようになったことが改正の主眼といえます。これまで、NTTは守備範囲を「県内」の通信事業というごく狭い範囲に限定されていました。そのため、事実上のインターネット事業である「Lモード」のサービス開始にあたって、相当の紆余曲折がありましたが、本件改正により通信事業範囲が拡張されることになり、事業活動に際し争いもなくなりました。
 同時に電気通信事業法において以下の改正が行われています。
(1)非対象規制の整備
(2)電気通信事業紛争処理委員会の設置
(3)ユニバーサル・サービス基金制度の整備
(4)東日本電信電話株式会社、西日本電信電話株式会社の業務範囲拡大
(5)NTT持株会社の外資規制の緩和等

3. 2003年7月
 本件改正では、全国均一の料金体系の元で通話サービスを実現する「ユニバーサルサービス」は旧NTT分割の際に大前提とされていましたが、東西地域会社の経営体力に少なからず格差が生じていることから、経営環境の厳しいNTT西日本に対し、経営環境に問題がないNTT東日本から資金援助を行うことができるよう改められました。
 改正の趣旨は、IP化・ブロードバンド化の進展によって、固定電話サービスを提供するための回線交換網へのシフトが急激に進み電気通信市場は、ネットワークサービスを中心とした事業モデルから端末やネットワーク、認証・課金等とのプラットフォーム、コンテンツ・アプリケーションといった様々な事業領域を垂直統合的に提供する多様なビジネスモデルが登場する等、ネットワーク構造と市場構造の変革が進み、従来の規制水準を大幅に低下させ、事業者主導による多様な事業展開を促進する仕組みへの転換を図ることにあります。
 同時に電気通信事業法において以下の改正が行われています。
(1)一種・二種事業区分の廃止
(2)参入・退出規制の緩和
(3)公益事業特権の認定制度
(4)サービス提供条件の自由化、利用者保護ルールの整備
 
第3. NTT法の概要
第1条 目的
1 日本電信電話株式会社(以下「会社」という。)は、東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社がそれぞれ発行する株式の総数を保有し、これらの株式会社による適切かつ安定的な電気通信役務の提供の確保を図ること並びに電気通信の基盤となる電気通信技術に関する研究を行うことを目的とする株式会社とする。
2 東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社(以下「地域会社」という。)は、地域電気通信事業を経営することを目的とする株式会社とする。
第2条 事業
1 会社は、その目的を達成するため、次の業務を営むものとする。
一 地域会社が発行する株式の引受け及び保有並びに当該株式の株主としての権利の行使をすること。
二 地域会社に対し、必要な助言、あっせんその他の援助を行うこと。
三 電気通信の基盤となる電気通信技術に関する研究を行うこと。
四 前三号の業務に附帯する業務
2 会社は、前項の業務を営むほか、総務大臣の認可を受けて、その目的を達成するために必要な業務を営むことができる。
第3条 責務
 会社及び地域会社は、それぞれその事業を営むに当たっては、常に経営が適正かつ効率的に行われるように配意し、国民生活に不可欠な電話の役務のあまねく日本全国における適切、公平かつ安定的な提供の確保に寄与するとともに、今後の社会経済の進展に果たすべき普及を通じて我が国の電気通信の創意ある向上発展に寄与し、もって公共の福祉の増進に資するよう努めなければならない。
第4条 株式・その1
第5条 株式・その2
第6条 外国人等の取得した株式の取り扱い
第7条 政府保有の株式の処分
第8条 商号の使用制限
第9条 一般担保
第10条 取締役及び監査役
1 日本の国籍を有しない人は、会社及び地域会社の取締役又は監査役となることができない。
2 会社の取締役及び監査役の選任及び解任の決議は、総務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
第11条 定款の変更等
第12条 事業計画
 会社及び地域会社は、毎事業年度の開始前に、その事業年度の事業計画を定め、総務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
第13条 財務諸表
第14条 重要な設備の譲渡等
 地域会社は、電気通信幹線路及びこれに準ずる重要な電気通信設備を譲渡し、又は担保に供しようとするときは、総務大臣の認可を受けなければならない。
第15条 監査命令等
第16条 監督
第17条 報告
第18条 財務大臣との協議
第18条の2 委員会設置会社である場合の読替え
第19条から第22条 罰則その1 贈収賄
第23条 罰則その2 
第24条 罰則その3 株主名簿への記載・記録制限
第25条 罰則その4 商号の使用制限
第26条 罰則その5 外国人等議決権割合の公告

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