御器谷法律事務所

薬の配置販売業と法規制

1. 薬の配置販売業の仕組み
 まず、配置販売業者の配置員が、消費者である家庭を訪問し、医薬品を置いていきます。そして、半年〜1年後に再度訪問し、その間に使用した分の代金の支払いを受け、使用して無くなった分の医薬品を補充していきます。この仕組みは「先用後利(せんようこうり)」と呼ばれています。

2. 薬の配置販売業に対する法規制
 薬の配置販売業を行うには、配置しようとする地域の都道府県知事の許可を受ける必要があります(薬事法24条1項、25条2号、30条1項)。また、消費者を訪問し、薬を配置販売するのは原則として薬剤師又は登録販売者でなければなりません(薬事法30条2項)。そして、配置を行う者は、都道府県知事の発行する身分証明書を携帯しなければならないこととされています(薬事法33条)。

3. 平成18年薬事法改正と配置販売業
 平成18年に行われた薬事法改正(平成21年6月1日施行)により、医薬品の販売方法が見直される中で、医薬品販売に従事する者に関しての制度も見直され、新たに登録販売者制度が設けられました。登録販売者は、厚生労働省の行う試験に合格し、都道府県知事の登録を受けた者のことをいいます(薬事法36条の4)。実際に薬を消費者の元に配置販売する者は、薬剤師か、この登録販売者でなければなりません(薬事法30条2項)。但し、経過措置として、既存の配置販売業者については、新規の許可を取得する場合で無い限り、登録販売者を雇用しなくても、これまでと同じ条件で配置販売業を営業することができることとされています。
 なお、この改正薬事法の詳細については、「薬事法改正」をご覧下さい。

4. 薬の配置販売業と改正特定商取引法
 特定商取引法上、訪問販売を受けた消費者は、契約後、法律で決められた書面を受け取ってから8日間は、無条件で解約することができることとされています(クーリングオフ、特定商取引法9条1項)。かつての特定商取引法では、クーリングオフの適用対象商品は政令で指定されており(指定商品制)、医薬品はその対象とはなっていませんでした。
 しかし、平成20年に特定商取引法の改正が行われ、指定商品性を廃止し、一部例外として指定された商品を除いて、原則としてクーリングオフの適用を受けることとなりました(改正特定商取引法は、平成21年中に施行されます)。つまり、従前の原則と例外を逆転させたといえます。
 ところが、薬を配置販売した場合には、配置員が置いていった薬を、消費者が開封して使用した時点で売買契約が成立(代金支払義務の発生)するため、クーリングオフをできる期間の起算点が不明となる、という問題があります。そのために、医薬品については、特定商取引法上のクーリングオフの適用除外商品とされる見込みです。
 
5. 健康食品販売に関する問題
 配置販売業者は、医薬品だけではなく、例えば、特定保健用食品(いわゆる「トクホ」とよばれる商品)などのような健康食品等も、配置販売する場合があります。しかし、特定商取引法上、クーリングオフの適用除外商品とされるのは「医薬品」ですので、これらの商品は、クーリングオフの適用を受けることとなります。
 なお、医薬品であるか健康食品であるかは、病気や怪我の治療・予防・診断に使う目的で販売されているか否かによって分類されます。具体的には、効能を謳ったり、「服用時期」や「服用間隔」等の医薬品的な用法用量の記載があったりすると、医薬品に該当する、と判断されることとなります。

 この薬の配置販売業につきましても、遠慮なく当事務所にご相談下さい
      

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