御器谷法律事務所

SPC

1.SPCとは、
 Spcial Purpose Companyの略称で、特別目的会社とも呼ばれています。SPCは、資産の流動化や証券化などの特別な目的のために設立される会社のことをいいます。具体的な業務はほとんど他の会社に委託します。
 不動産ファンドの場合、SPCは、オリジネーターといった不動産等の保有者から不動産や信託受益権を譲り受け、資産担保証券や株式、債権等を発行する会社であり、資産の流動化・証券化に大きく関与します。

2. 実務上の利用
 実務上、企業が保有する資産をSPCに譲渡することで、資産を証券化して、企業の資金調達にSPCが協力するという利用方法が多く行われています。特に、不動産会社やファンドが不動産投資を拡大するためにSPCを利用しているようです。
 SPCは、保有する不動産の価値を裏づけに資金調達するので、優良な不動産であれば低利で資金を調達できるという利点があります。また、バランスシートには計上されない取引(オフ・バランス)になるので、本体の有利子負債の拡大を避けることが出来るという利点もあります。
 さらに、SPCが金融機関から借り入れをする場合には、ノン・リコース・ローン(非遡及型融資)になり、SPCのみが返済義務を負うので、金融機関はSPCの設立者に借入金の返済を要求できません。従って、SPCが借入金を膨らませても、設立者の借入金には加算されないことになります。設立者は出資に伴う配当によって収益を得ることが出来ます。ただ、通常の融資とは異なり、貸し手である金融機関が貸し金回収のリスクを負うことから、金利などの条件は若干高くなることが多いようです。
 
3. 法的構成
 SPCには、SPC法に基づいて設立される場合と、会社法に基づいて設立される場合があります。
(1) SPC法に基づく場合
 SPC法は、正式には「資産の流動化に関する法律」といい、平成10年に施行されました。その目的は、1)SPCを活用した資産流動化の促進、2)不動産流動化業務の適正確保、3)投資家保護にありますが、スキーム上の制約が多く、不動産証券化等には馴染みにくい面があるとの指摘があったことから、平成12年11月に改正法が施行されています。
 この場合、SPCの資本金は、改正前は300万円以上とされていましたが、平成12年以降は10万円以上とされています。そして、平成12年以降は、登録制から内閣総理大臣への届出へと変更されています。
(2) 会社法に基づいて設立される場合
 従来は有限会社が多くありましたが、会社法施行後は合同会社となります。
 合同会社とは、会社法を根拠に新たに設けられた有限責任社員からなる持分会社です(会社法576条4項)。
 この場合、SPCの資本金は、1円以上であればよく、通常の会社の設立手続きに従えば、特に登録や内閣総理大臣への届出などは不要です。

4. 実務上の問題点
 上記のように、SPCは原則オフ・バランスとなるので、実質的に支配しており資産規模も大きい会社を連結対象外とすれば、企業の実態が見えづらくなるという問題点があります。
 そこで、企業会計基準委員会は平成20年3月期からSPCの出資額や負債などの情報開示を義務付けました。
 世界的に問題となった「エンロン事件」も、本来連結すべきSPCを意図的に連結決算から除外して、多額の負債や損失を簿外処理するといった不正経理があったといわれています。このエンロン事件などを契機にSPC連結化の流れが強まっています。
 SPCの連結基準が厳しくなった場合、不動産各社の総資産は膨らみ、自己資本比率の低下に繋がる恐れもあります。

 このSPCにつきましても、遠慮なく当事務所にご相談下さい

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