御器谷法律事務所

自転車事故


1. 自転車事故の発生件数について
 最近では、自転車(ロードバイク、マウンテンバイク、シティサイクルなど)を利用する人が増えてきていますが、これと対応して、自転車が関係する事故も重要な問題として意識されるようになってきました。
 警察庁のホームページによると、自転車事故の発生件数は、平成21年で15万6373件になっています。交通事故全体に占める自転車事故の比率は21.2%と決して低い割合ではなく、その数字は10年前(平成11年)の18.2%から年々上昇しています。
 また、平成21年の自転車事故の中で見ると、歩行者と自転車の間での事故が2934件、自転車同士の事故が3909件発生しています。自転車事故全体の件数が減少しているのに反して、歩行中や自転車での移動中といった身近な場面で自転車事故が発生する件数はむしろ増加しているといえます。

2. 自転車事故の特殊性
 自転車が歩行者と事故を起こした場合、その結果として歩行者が大きな怪我をすることもあり、重篤な後遺症が残ることもあります。逆に、自転車運転者が大きな怪我を負うこともあります。また、当事者が死亡するような自転車事故も平成21年だけで695件発生しています。
 そのため、万が一重大な自転車事故に遭遇したときのために、自転車運転者向けの保険も存在しています。しかし、自転車事故の危険性についての認識が不十分なためか現時点ではこの保険はあまり普及していないようです。

3. 自転車に関する道路交通法の規定
 自転車は道路交通法上の軽車両にあたります(同法2条11号)。そのため、道路を走行する際、自転車は、原則として車道を通行しなければなりません(同法17条)。ただし、自転車による通行を認める道路標識がある場合や自転車運転者が13歳以下か70歳以上の場合には、例外的に自転車で歩道を通行することが許されています(同法63条の4)。また、路上駐車が多い道路や路線バスが通っている道路などでは、自転車で車道を走ることが非常に危険だと思われることも少なくはありませんが、このような場合にも例外的に自転車で歩道を通行することが許されます。
  また、道路交通法の罰則に関する規定(同法115条以下)は、自転車運転者に対しても適用があり、たとえば自転車を飲酒運転した者に対しては5年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されます。

4. 自転車事故と法的責任
(1) 自転車事故の刑事責任
 自転車運転者が自転車事故を起こした場合、業務上過失致死傷罪(刑法211条1項)に問われることがあります。同罪の法定刑は、5年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金とされており、自転車事故であっても、相当悪質な事案では、懲役刑の判決を受けることも考えられます。また、事故に際して、自転車運転者に道路交通法違反の事実があった場合には、その罪も併せて起訴を受けることになることがあります。
(2) 自転車事故の民事責任
 自転車事故で損害賠償請求がされる事件では、事案によっては5千万円を超える金額の賠償請求が認めらたケースもあります。しかし、既に述べたように、自転車事故では運転者が保険に入ってない場合も多いので、事故によって相手方や自転車運転者が大きな怪我をしており、損害額が大きいような場合には、責任の所在や被害の程度等の点が激しく争われることも予想されます。
 具体的な判断の決め手は事案によってかなり異なりますが、自転車運転者が加害者となる事案でいうと、たとえば、自転車が車道を走行していたか歩道を走行していたかという点や、事故時の走行速度、夜間の事故であれば自転車がライトを点灯していたかなどの具体的な走行の態様が重要な判断要素になることが考えられます。
 そして、自転車が道路交通法上軽車両として取り扱われ、原則として車道を走行しなければならないことから、歩道上の事故については原則として歩行者に過失はないとも指摘されています。
 逆に、自転車運転者が被害者となる事案では、被害を受けた自転車運転者は、加害者が注意を欠いた状態で道路を通行していたこと等を主張立証して、加害者の損害賠償責任を追及することになります。ただし、自転車事故では、事故が発生したことについて被害者側にも責任があると判断される場合も少なくなく、損害賠償請求が認められる場合であっても、過失相殺によって認容額がかなり減額されることもあります。

 この自転車事故につきましても、遠慮なく当事務所にご相談下さい

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