御器谷法律事務所

デザインと法律

総論:デザインは、どのような法律によって、どのように保護されているのか?
1. 意匠法−新しく創作された、工業製品のデザインを「意匠」として保護
(1) 「意匠」−物品の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合であって、視覚を通じて美感を起こさせるもの
(2) 「登録意匠」−特許庁に意匠登録出願をされた意匠
1) 意匠登録出願の願書−特徴記載書
2) 登録から15年間有効
3) 登録意匠に類似したデザインにも効力及ぶ
4) 効力−損害賠償請求、製造・販売の差止め、3年以下の懲役又は1億円以下の罰金

2. 不正競争防止法
(1) 「不正競争」とは、
1) 第2条1項1号:商品等主体混同惹起行為
「他人の商品等表示(人の業務に係る氏名、商号、商標、標章、商品の容器若しくは包装その他の商品又は営業を表示するものをいう。以下同じ。)として需要者の間に広く認識されているものと同一若しくは類似の商品等表示を使用し、又はその商品等表示を使用した商品を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、若しくは輸入して、他人の商品又は営業と混同を生じさせる行為

2) 第2条1項3号:商品形態模倣
「他人の商品(最初に販売された日から起算して3年を経過したものを除く。)の形態(当該他人の商品と同種の商品(同種の商品がない場合にあっては、当該他人の商品とその機能及び効用が同一又は類似の商品)が通常有する形態を除く。)を模倣した商品を譲渡し、貸し渡し、譲渡若しくは貸渡しのために展示し、輸出し、若しくは輸入する行為

(2) 効力−損害賠償請求、差止請求、3年以下の懲役又は3億円以下の罰金

3. 商標法
ブランドを保護
「商標」:文字、図形、記号、立体的形状、これらの結合又はこれらと色彩の結合
(1) 商品商標−トレードマーク(登録商標)
役務商標−サービスマーク
(2) 文字商標、図形商標、結合商標、立体商標
(3) 特許庁が定める商品、役務ごとに特許庁へ商標登録を出願
(4) 商標原簿に登録後10年間有効−更新登録申請へ
(5) 効力−製造販売の差止め、損害賠償請求、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金(会社なら1億5,000万円以下)

4. 著作権
「著作物」−思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの

5. 肖像権
マーク・レスター事件:東京地方裁判所 昭和51年6月29日判決
通常人の感受性を基準として考えるかぎり、人が濫りにその氏名を第三者に使用されたり、又はその肖像を他人の眼にさらされることは、その人に嫌悪、羞恥、不快等の精神的苦痛を与えるものということができる。したがって、人がかかる精神的苦痛を受けることなく生きることは、当然に保護を受けるべき生活上の利益であるといわなければならない。そして、この利益は、今日においては、単に倫理、道徳の領域において保護すれば足りる性質のものではなく、法の領域においてその保護が図られるまでに高められた人格的利益(それを氏名権、肖像権と称するか否かは別論として。)というべきである。

6. 特許権
「発明」−自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの

7. 実用新案
「考案」−自然法則を利用した技術的思想の創作

8. その他


ケースT − アップルiMac対ソーテックe−One
1. 事案の概要
・アップルiMac '98.8〜スケルトン(半透明)の斬新なデザインで1年で世界中で200万台を売る
・ソーテックe-One '99.7発売、デザインがiMacに似ている
「iMacのウィンドウズ版」とささやかれる
・アップル→ソーテック:'99.8/24、製造・販売禁止の仮処分申立 1ヶ月
弱の
スピード
(意匠法ではなく、不正競争防止法による)
・東京地裁 '99.9/20、製造・販売禁止の仮処分決定

2. 東京地方裁判所 平成11年9月20日決定(要旨)

(1) 周知商品表示性について
債権者商品の形態の特徴として、「申立ての理由書」第3、1「iMacの形態の特徴」のとおりの事実が一応認められる。主要な点のみ掲記すると、1)全体に曲線を多く用いた丸みを帯びた形態が選択されていること、2)外装に、半透明の白色と半透明の青色のツートンカラーのプラスティック素材が使用されていること、3)上面及び側面が穏やかな三角形状で、背面に向けて絞られた形態、上面及び側面の半透明青色の部分が連続的な意匠が選択されていること、4)上面に半透明白色の持ち手があることを挙げることができる。以上の点を総合すると、債権者商品は、パーソナルコンピュータとしては、従前、類似の形態を有する商品がなく、形態上極めて独創性の高い商品ということができる。
そして、債権者商品について、その形態に重点を置いた強力な宣伝がされたこと、債権者商品はその形態の独自性に高い評価が集まり、マスコミにも注目され、販売実績も上がり、いわゆるヒット商品になっていることが一応認められる。
以上によれば、債権者商品の形態は、債権者らの商品表示として需要者の間に広く認識されている(周知商品表示性を獲得している)ものというべきである。

(2) 類似性について
以上のとおり、債務者商品と債権者商品は、いずれも、青色と白色のツートンカラーの半透明の外装部材で覆われた全体的に丸味を帯びた一体型のパーソナルコンピュータであり、曲線を多用したデザイン構成、色彩の選択、素材の選択において共通するのみならず、細部の形状においても多くの共通点を有することに照らすならば、少なくとも類似の外観を備えたものと解すべきであって、両者は類似しているというべきである。

(3) 混同のおそれについて
債務者商品の形態が債権者商品の形態と類似していることに照らせば、需要者が、両者を誤認混合したり、少なくとも債務者商品を製造販売する債務者が債権者らと何らかの資本関係、提携関係等を有するのではないかと誤認混同するおそれがあると認められる。

3. その後
・ソーテック−銀色のe−Oneを発売(アップルは法的対応をとらず)
・2000年1月14日−保全異議申立後、本案訴訟において裁判上の和解成立:ソーテックは半透明PCの製造を取りやめ、アップルに解決金1,000万円を支払う 

ケースU − リーバイス対エドウィン
1. 事案の概要
・リーバイス−エドウィンに対し、不正競争防止法、商標権に基づき販売の差し止めを請求
(1) ジーンズのバックポケット部分の弓形ステッチ
(2) 501と505
(3) バックポケット横の赤タブ
(4) ハウスマークログ

2. 東京地方裁判所平成12年6月28日判決(平成8年提起)
−エドウィンは、弓形ステッチを付した被服を販売してはならない−

・周知性
原告標章1、2は原告の商品又は営業表示として需要者に広く認知され、周知となっているものと認められる。
原告は、右原告標章の特徴を際だたせた宣伝広告等を長期間にわたって継続けてきたことが明らかであり、・・・原告標章1、2に関する大量の宣伝広告を実施し、その結果、強い出所表示機能を有している。

・類似性
原告標章1、2と被告標章1、2とは、以下の点が共通。
1) ジーンズのバックポケットに付されたステッチ
2) 左右二つのアーチからなる
3) 左右二つのアーチは線対称である
4) それぞれのアーチは、ほぼ平行な二本の曲線からなる
5) 二本の曲線は、両端部分から中央部分に向かって、円弧を描くようにして次第に下降し、中心部で交差していること等の点で共通する。右の共通点に照らすならば、両標章は、類似しているということができる。

・誤認混同のおそれあり

ケースV − タレント画像のDMへの掲載
参考判例
芸能人の肖像権−おニャン子クラブ事件:東京高等裁判所平成3年9月26日判決

芸能人の氏名・肖像がもつかかる顧客吸引力は、当該芸能人の獲得した名声、社会的評価、知名度等から生ずる独立した経済的な利益ないし価値として把握することが可能であるから、これが当該芸能人に固有のものとして帰属することは当然のことというべきであり、当該芸能人は、かかる顧客吸引力のもつ経済的な利益ないし価値を排他的に支配する財産的権利を有するものと認めるのが相当である。したがって右権利に基づきその侵害行為に対しては差止め及び侵害の防止を実効あらしめるために侵害物件の廃棄を求めることができるものと解するのが相当である

ケースW − ディズニー 7人の小人
 省略

ケースX − スターバックス対ドトール
1. 2000年6月26日 − スターバックスコーヒージャパンが、ドトールが経営するエクセルシオール・カフェに対し、ロゴマークの使用差し止めの仮処分を申立て
・不正競争防止法に基づく
・「二重円の間の帯状部分を緑色にし、白抜きのブロック体のアルファベットを記載するなど、当社のロゴと類似し、模倣である」と主張
・消費者から「店を混同した」との苦情

2. 2000年8月16日 − 和解成立
・ドトール − ロゴの二重円の部分の色を緑から青に変更

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