御器谷法律事務所

離婚の法律相談

5. 別居は離婚原因となるか?−破綻主義
Q5. 夫は外で愛人をつくり家庭を顧みなくなり、そのため別居状態となり3年位経ちました。毎月の生活費は送金してくれますが、この度夫から離婚したい、との申し出がありましたが、これに応じなければならないのでしょうか?

A. 回答
あなたの夫は外に愛人をつくり家を出たのですから、いわゆる「有責」(ゆうせき)配偶者となり、有責配偶者からの離婚請求は認められないのが原則です。

しかし、たとえ有責配偶者であっても長期間別居状態が継続され夫婦間が完全に破綻してしまっているのに形だけの夫婦を永続的に認めざるをえないと考えるのもいかにも不合理です。

そこで、たとえ有責配偶者からの離婚請求であっても、別居が相当の長期間に及び、夫婦間に未成熟の子がいない場合には相手方が離婚により極めて苛酷な状態におかれる等の特段の事情がない限り、離婚請求を認める余地がありうると考えられるようになりました。

そして、その別居期間については、事案の個別事情をも考慮し8年間とした裁判例もあります。また、立法案として別居期間5年を一応の目安にしようとの見解もあります。

従って、ご相談のあなたの場合には、夫からの離婚請求に応じる必要はありません。

<最高裁判所昭和62年9月2日大法廷判決>
有責配偶者からされた離婚請求であっても、夫婦の別居が両当事者の年齢及び同居期間との対比において相当の長期間に及び、その間に未成熟の子が存在しな場合には、相手方配偶者が離婚により精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状態におかれる等離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情の認められない限り、当該請求は、有責配偶者からの請求であるとの一事をもって許されないとすることはできないものと解するのが相当である。

<最高裁判所平成2年11月8日判決>
上告人と被上告人との別居期間は約八年ではあるが、上告人は、別居後においても被上告人及び子らに対する生活費の負担をし、別居後間もなく不貞の相手方との関係を解消し、更に、離婚を請求するについては、被上告人に対して財産関係の清算についての具体的で相応の誠意があると認められる提案をしており、他方、被上告人は、上告人との婚姻関係の継続を希望しているとしながら、別居から五年余を経たころに上告人名義の不動産に処分禁止の仮処分を執行するに至っており、また、成年に達した子らも離婚については婚姻当事者たる被上告人の意思に任せる意向であるというのである。そうすると、本件においては、他に格別の事情の認められない限り、別居期間の経過に伴い、当事者双方についての諸事情が変容し、これらのもつ社会的意味ないし社会的評価も変化したことが窺われるのである。 

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