御器谷法律事務所

離婚の法律相談

9. 親権者は誰になるのか?
Q9. 親権、監護権について教えてください。

A. 回答
1. 親権とは
親権とは、親が未成年の子を監護、養育する権利義務の総称です。そして、子の父母が婚姻中であれば父母が共同で行使することと定められております。
ところが、離婚に際しては、父母のどちらかを親権者に定めなければなりません。この親権者の指定は、父母の協議で決められますが、協議が出来ないとき、又は、まとまらないときは家庭裁判所の調停、審判若しくは離婚訴訟の判決によって定められることになります。

2. 監護権(監護権者)とは
監護権者とは、子供の世話をし、監督し、教育する者です。父母が離婚するときは、子の監護権者その他監護に必要な事項について協議で定め、協議がととのわない時、または協議できないときは家庭裁判所が定めることになります。
監護権者は親権者と一致する場合が多いですが、親権者と異なる親や第三者を指定することも場合によってはあり得ます。

3. 親権者、監護権者指定の決定

審判において、親権者、監護権者を指定する判断基準は子供の利益、ないし子供の福祉に適うかどうかです。よって、何が子供の利益、子供の福祉になるのかという観点から総合的に比較考量して決められることになります。
(1)比較考量の具体的事情
 1) 父母の状況・健康、精神状態、監護意欲、生活能力、生活態度、家庭環境、住居、教育環境、子供への愛情、監護補助者の状況、子供との接触時間、他方の親との面接交渉に対する理解、離婚の有責性等
 2)子供の状況
子供の意思、年齢、意欲、生活環境への適応状況、環境変化への適応状況等

(2)具体的基準
裁判において示された基準としては以下のものがありますが、どの基準も優劣はつけがたく、また、その他にも裁判所によってさまざまな判断基準が示されており、事案によってどのような判断が下されるかは結局は裁判所の判断にゆだねられることになります。
 1) 母親優先の基準・・乳幼児に関しては特別の事情がないかぎり母を優先させるとする基準のこと
 2) 現状尊重の基準・・監護の現状に特別の問題がない限り、現実に監護教育している者を優先させる基準のこと
 3) 子の意思尊重の基準・・子に物心がついていれば、その意思を尊重する基準のこと

(3)調査官の調査

では、これらの調査をどのようにして行うのでしょうか。
この調査は、子の福祉、健全な育成に適うのはどちらかを調査しなければならないのですから、一般的には心理学、社会学等を学んだ専門家として家庭裁判所の調査官が調査を行い、その結果を審判官に提出することになります。
調査官は、父母や子、監護補助者、学校、幼稚園、保育園関係者、福祉施設関係者等に面談等を行い、調査を行います。また、母子手帳、写真、日記、子の書いた絵、預金通帳、学資保険証書等の資料の提出を求めることも一般的に行われています。

4. 離婚調停における親権者、監護権者の指定の実際
実務の傾向としては、昭和30年頃には、父母が親権者として指定される率はやや母が勝る程度でありましたが、その後、父が親権者として指定される割合が漸減し、母が指定される割合が相当に高くなってきております。
いずれにしましても、実務においては、詳細な調査を行い、前記の各基準に照らして父母どちらに親権、監護権を持つことが子の福祉に適うのかが慎重に判断されることになります。

 この離婚の法律相談につきましても、遠慮なく当事務所にご相談下さい

Q&Aにもどる

執務の方針| 弁護士のプロフィール| 取扱事件 | ご案内 顧問契約 |

弁護士費用 | 事務所案内図 | リンク|トップ