御器谷法律事務所

契約 - 包括根保証の禁止


1. 包括根保証とは
 根保証とは、一定の継続的取引関係から生ずる不特定多数の債務を継続的に保証することを言いますが、このような根保証の中でも、発生する債務の期間や、金額に制限をつけないものを包括根保証(ほうかつねほしょう)と言います。このような包括根保証は、中小企業が融資を受ける際の代表者の個人保証などに広く用いられています。

2. 法改正の理由
 包括根保証は、保証人が過大な責任を負う可能性があり、また、経営者の新たな事業展開や再起を阻害するおそれがあるとの指摘がなされてきました。
 そのため、立法機関も保証制度の適正化に関する審議を開始し、一定の場合、包括根保証を禁止する内容の民法改正法が平成16年11月に成立しました。

3. 改正内容
(1) 書面による契約の必要性
法改正前は、保証契約は口頭の約束でも有効でしたが、改正後は口頭での約束は無効となり、書面(電磁的記録を含む。)での契約が必要となります(民法446条2項、3項)。
(2) 保証の上限(極度額)の定めの必要性(個人が保証人となる場合)
法改正前は、保証人が債務者の借り入れを無制限に保証する契約も有効でしたが、改正後は貸金等債務を主債務として個人が保証人となる場合(このような契約を法律上「貸金等根保証契約」としています。)、保証する金額の上限を定めることが必要となります(民法465条の2第2項)。
極度額は、債務者が借入をする場合必要と思われる金額や保証人自身の資産の額等を参考に、保証人が責任を負うのに合理的な金額を保証人と金融機関等の話し合いで決めることになります。
(3) 保証期限(元本確定期日)の制限(個人が保証人となる場合)
法改正前は、保証人が無期限で保証する契約も有効でしたが、改正後は個人が保証人となる場合、保証人は契約で定められた5年以内の期間(定めが無いときは3年間)に発生した債務のみを保証することになります。
契約日から5年を超えて根保証を継続する必要がある場合には、債権者と保証人の合意が必要であり、また変更後の元本確定期日は、その変更をした日から5年以内の日でなければなりません(民法465条の3)。
(4) 元本確定事由(個人が保証人となる場合)
個人が保証人となる場合、主債務者又は保証人のいずれかが(1)その財産について金銭債権についての強制執行又は担保権実行を受けたとき、(2)破産手続開始決定を受けたとき、又は(3)死亡したときは主債務の元本が確定するものとされました(民法465条の4)。

4. 改正法の施行日等
 改正法は平成17年4月1日から施行される予定です。
 なお、改正法の施行前に締結された極度額の定めのない貸金等根保証契約は無効とはなりませんが、改正法の施行後3年が経過しても元本が確定しないものについては3年を経過する日に自動的に元本が確定するという経過措置も設けられています。
 なお、法人がする包括根保証契約は従来どおり有効と解する余地があると思われます。

 この包括根保証につきましても、遠慮なく当事務所にご相談下さい
      

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