御器谷法律事務所

会社の民事再生−申立件数、再生手続終結率、弁済率等

 会社の民事再生事件につき、その申立件数や再生手続終結率、再生計画における弁済率等の目安を調査してみました。

 次の数字は、一部概算であり、又調査した日時等も異なり、伝聞等も含まれるため決して正確な数字ではないものがあります。あくまでも目安として、参考としてご覧下さい。

1. 会社の民事再生申立件数の推移
 次の申立件数は、会社の民事再生申立、会社更生申立、破産申立(個人を含む)の件数の概数です。なお、平成20年の法人の自己破産申立件数は10,629件という指摘もあります。

民事再生 会社更生 破産
平成15年 941 63 251,800
平成16年 712 45 220,261
平成17年 646 44 193,179
平成18年 598 14 174,861
平成19年 654 19 157,889
平成20年 859 34
 (出典:最高裁判所司法統計より)

2. 地方別の会社の民事再生申立概数
 例えば、平成19年度の会社の民事再生申立件数でみると、次の表のとおり、全国で654件中、東京地方裁判所への申立が突出しています。この傾向は例年通りともいえます。
全 国 654
東 京 253 38.7% 岡 山 3 0.5%
横 浜 15 2.3% 鳥 取 6 0.9%
さいたま 10 1.5% 松 江 3 0.5%
千 葉 14 2.1% 福 岡 17 2.6%
水 戸 11 1.7% 佐 賀 1 0.2%
宇都宮 6 0.9% 長 崎 4 0.6%
前 橋 12 1.8% 大 分 14 2.1%
静 岡 6 0.9% 熊 本 9 1.4%
甲 府 11 1.7% 鹿児島 7 1.1%
長 野 9 1.4% 宮 崎 4 0.6%
新 潟 7 1.1% 那 覇 3 0.5%
大 阪 47 7.2% 仙 台 6 0.9%
京 都 8 1.2% 福 島 7 1.1%
神 戸 13 2.0% 山 形 9 1.4%
奈 良 3 0.5% 盛 岡 8 1.2%
大 津 1 0.2% 秋 田 4 0.6%
和歌山 1 0.2% 青 森 11 1.7%
名古屋 29 4.4% 札 幌 17 2.6%
9 1.4% 函 館 2 0.3%
岐 阜 5 0.8% 旭 川 1 0.2%
福 井 7 1.1% 釧 路 3 0.5%
金 沢 4 0.6% 高 松 1 0.2%
富 山 0 0.0% 徳 島 6 0.9%
広 島 4 0.6% 高 知 1 0.2%
山 口 15 2.3% 松 山 7 1.1%
 (出典:最高裁判所司法統計より)

3. 民事再生の手続終結率
 通常民事再生事件の既済事件総数のうち、再生手続が終結した事件の割合の概数は次のとおりです。
 再生手続廃止は、再生手続が目的を達することなく終了する場合を指します。これに対して、再生手続の終結は、再生手続が目的を達し裁判所が手続終結の決定(法188条1項)をした場合を指し、この再生手続終結件数が事件全体に占める割合は、いわば民事再生手続の成功率を意味するとの指摘もあります。
通常民事再生事件の既済事件総数 再生手続廃止 再生手続終結 通常再生事件の既済事件総数のうち再生手続終結件数の占める割合
平成15年 507 206 211 41.6%
平成16年 834 234 515 61.8%
平成17年 1010 194 763 75.5%
平成18年 941 157 736 78.2%
平成19年 814 155 607 74.6%
 (出典:一部は最高裁判所司法統計より)
 上記の数字は、必ずしも正確な数字ではないものがあります。あくまでも目安として、ご参考にして下さい。

4. 民事再生における弁済率
 会社の民事再生申立事件において、再生計画における一般再生債権者への弁済率については、これを決する基準としては、今後の再生計画をどのように考えるか、主たる配当原資の内容(現存資産の換価代金、今後の事業収益、事業譲渡により得られる代金、金融機関やスポンサーから受ける融資金等)、事業譲渡をする場合において企業継続価値をどのように評価するか等の要素を考えることができます。
 そして、この弁済率については、必ずしも資料を入手、調査できず確定的な数値を述べることはできませんが、従来よりの会社の民事再生事件の中においては5年〜10年間位で1割〜2割位前後という位の数字を比較的多く聞いたこともありました。
 しかし、現実の会社の民事再生事件においては、清算価値や再生計画の具体的内容や債権者の対応如何によって、その弁済率は大きく変わってくることがあり、予断を許さないものであります。
 
5. その他の民事再生の実情
(1)民事再生申立の原因、端緒
 申立会社における事業自体の売上不振、それにともなうメイン・バンク等金融機関の融資打ち切り等に端を発しての申立を多く見かけます。
 特に金融機関とのリスケ交渉後その支援打ち切りを契機とするものも少なからずあるところであります。
 さらに、任意整理ではなく、法的再建手続を取るに至った経緯の中でメイン・バンクを中心とする金融機関の不同意が、申立の端緒として見受けられます。
 なお、このような経緯から会社が民事再生の申立をするときには、金融機関に事前通知することなく申立をするケースの方がずっと多いのではないかと思われます。
(2)申立後の経営状況
 会社の民事再生申立後の社長等経営陣については、従前のままという例が比較的多いのではないかと思われます。
 また、社長等経営陣が変わる場合には、スポンサーからの要請ということが多いと思われます。会社の民事再生事件において、スポンサーが支援するケースは年によって3割前後位あったとの話も聞いたことがありますが、その支援の態様は100%出資や経営陣の交替、融資の実行、事業譲渡、取引の支援等があります。

 この会社の民事再生につきましても、遠慮なく当事務所にご相談下さい

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