御器谷法律事務所

会社の民事再生−財産評定

1. 財産評定の意義
 財産評定とは、再生手続が開始された後に、再生債務者に属する一切の財産について再生手続開始時における価額を評定するものです(民事再生法124条1項)。その目的は、再生債務者の財産状況を的確に把握し、もって妥当な再生計画を立てさせようとすることにあります。再生計画において、再生債務者が破産した場合に比して弁済率が低くなるときは、「再生計画の決議が再生債権者の一般の利益に反する」ものとして再生計画が認可されないこととなります(法174条2項4号)。

2. 財産評定の基本ルール
 再生債務者の財産価額の評価は、基本的には、当該財産を処分した場合の価値を基準とします(民事再生規則56条1項本文)。ただし、必要がある場合には、全部又は一部の財産について、再生債務者の事業を継続するものとして評定をします(同ただし書き)。後者は、営業譲渡を検討するにあたり、再生債務者の企業継続価値(ゴーイング・コンサーン・バリュー)を把握しようとするケースが考えられます。

3. 財産評定におけるポイント
 それでは、資産項目ごとに財産評定のポイントを見ていきましょう。
(1)不動産
 不動産については、基本的に、再生債務者の事業が継続しないという前提で処分価額を算定することになるため、継続する場合よりも低く評定される可能性が高いといえます。評価方法としては、鑑定を依頼したり、近隣の公示価格や売買などの取引における相場を基準に算出したりすることが考えられます。
(2)在庫商品等
 在庫商品等については、実際上まとめて処分されることが多いため、その価額は相当低くなることが予想されます。この点、帳簿に記載された在庫商品等の価値とは大きな開きが生じる場合もあり、注意が必要といえます。
(3)有価証券
 有価証券には、市場における流通が想定されるものと、これが想定されないものがあります。前者については、再生手続開始決定時における市場価額を基準に、後者については、発行した会社の財産状況等を基準に算定します。
(4)売掛金
 売掛金については、債権の回収可能性の有無・程度の判断が重要です。とくに、売掛金債権の債務者(第三債務者)が破産した場合には、容易に額面の支払いを受けられることは考えにくく、減額して評価されることになるでしょう。また、第三債務者の財産状況によっては売掛金が無価値であると評定されることもあり得ます。
(5)現金・預金
 現金については、再生手続開始決定時の帳簿価額に、預金については、開始決定時の預金残高によることとなります。ただし、銀行から借入れがあれば、相殺されることになるため、その分は減額されます。
(6)敷金、保証金
 敷金や保証金については、未払賃料や原状回復費用等償還の際の控除を予想した上で、価額を評定します。
(7)負債
 なお、負債の評定については、再生債権や別除権等の認否だけでなく、共益債権や一般優先債権の額も算定することになります。

4. 財産評定書の提出
 再生債務者・管財人は、財産評定の後、直ちに財産目録及び貸借対照表を作成し、これらを裁判所に提出します(法124条2項)。これらの財産評定書は債権者の閲覧・謄写に供され、債権者は再生計画案に対し同意するか否かを判断するための資料が与えられることとなります。

 この財産評定につきましても、遠慮なく当事務所にご相談下さい

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