御器谷法律事務所

任 意 整 理、自 己 破 産 

1. 多重債務者の激増
 今、町には、サラ金の自動契約機があふれ、テレビコマーシャルでも連日のようにサラ金の宣伝が流れ、銀行や信販会社のカードでもいわゆるキャッシングが可能となっており、わざわざ店に出向いて借用書を書くということがなくなり、抵抗なく若者からお年寄りまで気軽に借金をしてしまうようになりました。また、バブル経済が崩壊し、不況が長期化する中で、企業のリストラや倒産により、職を失ったり、収入が大幅にカットされたりという不況が原因の借金に苦しむ人々もまた大幅に増加しております。
 そのような状況のなかで、全国での自己破産申立件数が年々増加し、ここ数年は10万件を超える申立件数で推移しております。また、借金の返済が困難ないわゆる自己破産予備軍といわれる人々は、100万人とも150万人ともいわれております。
 このような多重債務に陥ってしまった人々はいったいどのようにすればその苦境から脱出できるのでしょうか。
 ここでは、多重債務者が救済される方法についてご案内いたします。

2. 任意整理による救済

 まず、借金の返済が困難になった場合でも、借金の額がそれほど多額ではない場合( 3〜5年で返済できる位の負債)には、すぐに破産を申し立てるのではなく、任意整理(私的整理)という方法があります。
 これは、業者と個別に交渉し自分の収入に応じた可能な範囲内での月々の返済金による和解を締結し、弁済期間も長期にしてもらうという方法です。もっとも、業者との交渉は債務者本人には非常に難しい面がありますので、専門家である弁護士に依頼することをお勧めします。弁護士が受任通知を発送し、業者が受け取った後は、業者から債務者本人への直接請求は財務省のガイドラインにより禁じられることになります。これだけでも、債務者にとっては大きなメリットになります。また、弁護士は利息制限法に基づいて残元本を引き直し計算をし、残債務を確定しますので借り入れから長期間が経過していれば残債務が大きく減額される場合もあり得ます。
 債務者は、業者と結ばれた和解契約に従って弁済をしていくことになるのです。
 なお、クレジット・サラ金処理にあたっては、東京の 3つの弁護士会が以下のような処理の統一基準を設けております。

<東京三弁護士会の統一基準>
(1) 取引経過の開示
当初の取引よりすべての取引経過の開示を求めること。
(2) 残元本の確定
利息制限法の利率によって元本充当計算を行い債権額を確定すること。
(3) 和解案の提示
和解案の提示にあたっては、それまでの遅延損害金、並びに将来の利息は付けないこと。
(4)
・クレジット会社の立替代金債権額の確定にあたっては、手数料を差し引いた商品代金額を元本として利息制限法所定の利率によって算出された元本額を超えないよう注意すること。
・貸金債務が債権者と同一系列の保証会社に履行されて求償債権になった場合、保証会社の求償債権額は、本来の貸金債権額まで減額すること。
・非弁提携弁護士によって和解が成立した事案については、この和解が利息制限法に違反していないかを十分に調査すること。

«任意整理の流れ»
2〜3ヶ月から4〜5ヶ月程度(事案により異なります)

任意整理受任 着手金実費
各債権者への受任通知送付 (直接請求は不可)
(支払いストップ)
債権届出
取引経過の開示
利息制限法を適用、
引き直し計算、元本圧縮
返済計画立案、各債権者への送付
示談交渉(将来利息はカット、大幅減額)
示談成立、示談書への署名捺印 成功報酬
事件終了(終了確認が必要)
その後は債務者自身の責任で返済

3. 自己破産申立による救済
 債務額が大きかったり、それほど大きくなくても病気などにより定期的な収入が得られなかったりする場合には、裁判所に破産の申立をすることになります。この場合も、任意整理と同様に、やはり法律の専門家である弁護士に依頼されるのが良いでしょう。弁護士が付いていないと、債権者は破産手続きが終了するまで債務者本人に対し、直接の取り立てが可能なので、今まで以上に厳しい取り立てにさらされる可能性がありますし、弁護士が付いていれば手続きも非常にスムーズになるからです。
 必要書類を提出し申立を行った債務者に対して裁判所から破産手続開始決定がなされると、債務者に不動産等の財産がある場合を除いて、管財人は選任されず破産手続開始決定と同時に破産手続きを終了する「同時廃止」という決定がなされます。もっとも、これだけでは債務は残存したままですので、その後、免責の申立をして裁判所の免責決定を得る必要があります。裁判所は、免責不許可の事由(借金のほとんどがギャンブルや浪費、クレジットで買った商品をすぐに換金のために処分する等が該当の可能性あり)で、の有無を検討し、免責の許可、不許可を決定することになります。免責決定が下されてようやく債務の返済をしなくてもよいことになります。
 なお、破産手続開始決定がなされても戸籍や住民票に記載されたり、選挙権や被選挙権がなくなったりすることはありません。
 また、東京地方裁判所においては、資産の殆どない個人及び法人の自己破産事件に破産管財人を選任し、例えば免責不許可事由が存在する債務者について調査させるなどの新しい運用がなされるようになっております。この手続きは「少額破産管財事件」と呼ばれております。

«破産(同時廃止)の流れ»

4. 個人の民事再生手続
 また、多額の債務を抱えて経済的に窮境にある個人債務者について、裁判所の監督のもと将来の収入等を弁済原資として債務の一部を弁済することにより、残債務が免除されて破産を回避し、経済生活の再生を簡易迅速に図るための個人版の民事再生法の特則が設けられ、平成13年 4月 1日から施行されております。
 この手続きは、継続的な収入を得る見込みがある債務者が、一定の要件を満たす場合には利用することが可能な手続きです。詳細は、別項目の「個人民事再生手続の概要」を参照願います。

5. どの手続きを選択するのか

 では、どの手続きを選択すればよいのでしょうか。
 任意整理か自己破産かの選択は、借金の総額を 3年間〜5年間位で返済できるかどうかがひとつの目安となるといわれております。また、新しい負債の整理手続きである個人の民事再生手続きを利用するのも一つの選択です。債務者の現状にはいずれの手続きが妥当なのかについては法律の専門家である弁護士に相談し、きちんとした返済計画が立てられるのか否かを十分に検討して手続きを選択し、多重債務からの脱却をはかるようにすることが大切です。

6. 費用について

(1) 任意整理
弁護士費用は負債の件数と負債総額に応じて着手金と成功報酬が決められます。
(2) 自己破産
  • 弁護士費用−負債額と件数、負債総額に応じて個人の場合には着手金として20万円〜50万円が一つの目安となっております。
  • 予納金、印紙、郵券等の実費(裁判所への納付)
       同時廃止事案・約 3万円
       少額管財事案・約23万円
但し、財産があって配当も考えられる事案などについては、予納金も相当の額になることもあり、また、別途弁護士と相談し費用を決めることになります。
(3) 個人の民事再生
負債総額や債権者の数等事件の規模に応じて定まることになりますが、金30万円〜50万円位が着手金の一応の目安となるものと考えられます。

 この任意整理、自己破産につきましても、遠慮なく当事務所にご相談下さい

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