平成22年2月18日
報道 各位
川崎幸警察署パワハラ自殺事件の
損害賠償請求事件の訴提起について
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御器谷(みきや)法律事務所 (http://www.mikiya.gr.jp)
弁護士   御器谷(みきや)
弁護士    栗田 祐太郎
弁護士   島津  守
弁護士   梅津 有紀
弁護士   福田 恵太

 下記の損害賠償請求事件につき、本日、横浜地方裁判所に対して訴状を提出し、訴の提起をいたしました。
  1. 事件番号等
    横浜地方裁判所 平成22年(ワ)第829号、第7民事部
    損害賠償請求事件(幸警察署パワハラ自殺事件)
    被告:神奈川県、上司I、署長A
    (原告名は、プライバシー尊重の見地から秘匿を是非お願い申し上げます)

  2. 事案の概要
    被害者は、かねてより神奈川県警察に採用され、平成18年9月より警部に昇進し、川崎の幸警察署に勤務し、課長の職にありました。
    平成19年9月に、被害者の上司としてI(次長、警視)が着任し、その直後から被害者に対する次のようなパワー・ハラスメントが始まりました。
    (ア) 多数の署員の面前での度重なる罵倒
    被害者はフロアの真中に立たされ、多数の署員の前で、「お前は、駄目だ!お前には任せられない!」等と、何度も執拗に大声で叱責を受けました。
    (イ) いわれのない書類の書き直しの強要
    些細なことをあげつらわれ、書類の書き直しを何度も何度も繰り返し命じられました。
    (ウ) あいさつ等に無視する
    忘年会の折には、被害者が隣に座っていたにもかかわらず、被害者を全く見ず、会話もせず、被害者を殊更に無視し続けました。
    (エ) その他、様々な嫌がらせ行為
    被害者の部下に対して、被害者は「駄目だから、部下のお前が俺に直接報告してくれ!」等と、被害者を飛ばす指示等の嫌がらせもしました。
     そして、上記各行為は、明白に社会的相当性を逸脱し、被害者がそれ迄築き上げてきた警察官のプライドを著しく侵害し、被害者の人間としての尊厳さえ侵害する違法なパワー・ハラスメントと断言せざるをえません。
    その後、被害者は、この上司Iのパワー・ハラスメントによりうつ状態→うつ病となり、これにより平成20年12月9日ついに自殺するに至ったものであります。
     また、Aは当時幸警察署の署長として、上司Iのパワー・ハラスメントを防止すべき安全配慮義務があるにもかかわらず、これを怠り、更にこのパワー・ハラスメントに加担したとの違法行為もありました。
    従って、被害者の遺族としては、神奈川県に対しては国家賠償法第1条に基づき、又、上司Iと署長Aに対しては民法第709条の不法行為に基づき、その被った損害である総額金1億2,883万円余の賠償を求めて本件訴訟の提起に至った次第であります。

  3. 本件訴訟に至る経緯について
    被害者の自殺より1年余を経過しても神奈川県警の監察からは明確な調査報告もなく、上司I及び署長Aへの処分も全くなされませんでした。
    そこで被害者の遺族の方々からの要望を受け、平成21年12月に、私達代理人弁護士より次の3つの要望を、神奈川県警と上司I等に通知しました。
     (1) 誠意ある謝罪文と損害賠償を行うこと、
     (2) 上司Iに対して厳正なる懲戒処分を行うこと、
     (3) 神奈川県警察として再発防止策を実施すること。
    しかし、この私達の通知に対して、神奈川県警察と上司Iからは全く返答がなく、やむをえず本件訴訟の提起に至ったものであります。
    つまり、遺族としては、上記3つの要望が主たるものであり、これらの事項を実効あらしめ、被害者の死を無駄にすることなく、社会に一石を投じたい、そうしなければ神奈川県警の体質が変わらない、との切なる思いを込め、本件訴訟を提起し、且つこれを報道の方々に公表したものであります。

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