御器谷法律事務所

労 働 事 件 

1.はじめに
 労働事件は、特に解雇の場合には、労働者側からすれば生活の基盤であった職を失うかどうかの極限の状況といえますし、会社側にとっても厳しい対応を迫られる非常に困難な問題であると考えられます。また、配置転換、出向なども労働者にとって大きな問題ですし、職場におけるセクハラ、男女差別なども労働問題のひとつのケースといえるでしょう。
 ここでは、一般にはそれほどなじみのあるとまでは言えない労働事件に一体どのようなものがあるのか、また、労働関係の訴訟にはどのような種類があるのか、更に、労働事件とは労働者側、会社側から見て一体どのような流れになるのかを順に追ってみることとします。

2.労働事件の種類
労働事件には大きく分けて以下のような種類があると言われております。

(1)解雇、退職の問題
(2)採用、賃金の問題
(3)人事異動の問題
(4)懲戒処分の問題
(5)労災等の問題
(6)労働条件に関する問題
(7)性差別、セクハラ等の問題
(8)派遣労働の問題
(9)社会保険の問題
(10)会社倒産の際の労働者に有する債権(給与、退職金等)の問題

3.労働関係訴訟の種類
労働関係訴訟には大きく分けて以下のような種類があると考えられます。

(1)解雇無効確認訴訟、雇用関係存在確認訴訟(労働者側)、
  雇用関係不存在確認訴訟(会社側)
(2)賃金支払い請求訴訟(未払い賃金、退職金等)
(3)配転、出向命令の無効確認訴訟
(4)懲戒処分の無効確認訴訟
(5)労災保険の不支給処分取消請求訴訟
(6)損害賠償請求訴訟(解雇、懲戒、セクハラ、いじめ等への慰謝料請求)

4.労働事件の流れ・・労働者が解雇された事例
 解雇は、労働基準法の定める解雇予告及び予告手当の支払いにより、ただちに有効となるものではありません。解雇権の濫用等の場合には、解雇が無効となる場合もありうるのです。
ここでは、労働者にとっても会社にとっても最も重要な問題の一つと考えられる解雇に関する問題について、問題発生から解決までにどのような流れとなるのか概観することにします。

<示談交渉段階>
法律相談
(労働者:会社を解雇された、または、解雇されそうな状況、解雇予告を受けた等)
(会社:解雇した、または、解雇予告した労働者から不当な解雇であり撤回せよとの要求を受けている等)

本人、会社による示談交渉
弁護士による示談交渉
      
示談決裂   示談成立(復職、円満退社等)

<法的手続段階>

(1)仮処分の段階
労働仮処分(労働者:地位保全、賃金仮払仮処分の申立・・申立書)
(会社:解雇の正当性を主張し訴却下を求めることになります・・答弁書)

準備書面、疎明資料の提出(労働者:本人の陳述書、日記等、会社:上司、同僚の陳述書、業務日誌等)
               
和解不成立          和解成立(復職、円満退社等)
        
仮処分決定  却下決定

(2)訴訟提起の段階

裁判所へ訴状を提出して訴えを提起(通常は労働者からですが、雇用関係不存在確認の訴えのように会社から提起する場合もあります。)

答弁書の提出

準備書面、証拠の提出

証拠調べ(証人尋問:労働者側は本人、同僚等会社側:上司、同僚等)

和解成立(審理中に裁判所から和解の勧告がなされることがあります。これは、話し合いによる事件の解決方法であり、双方が合意に達すれば訴訟は和解で解決することにことになります。復職、円満退社等)

判決(以上の経過をたどり、双方の主張、立証が出尽くしたときには、弁論が終結され判決が下されることになります。)


控訴(判決に不服がある当事者は、高等裁判所へ控訴することができます。)

上告(憲法、法律、判例等に違反している場合には上告することができます。)

5.まとめ
 このように、労働事件は特に解雇等の事案においては、労働者にとってまさに死活問題であります。また、昨今の不況により会社としても労働者に対して一層厳しい対応を強いられている現実があります。また、そこまでいかなくても、配置転換や出向などにおいても、トラブルになる例も数多くあります。更に、不景気とは無関係に、セクハラや男女差別等によるさまざまな問題も見受けられます。
 特に解雇等の労働事件においては、労働契約を交わして共に経済活動を行っていた会社と労働者が厳しく対立することとなり、示談交渉においても、仮処分の場においても、訴訟の場においても労働者にとっても、会社(上司、同僚、担当者等)にとっても大変に厳しくつらい事件となるのです。
 そこで、労働者、会社(人事、総務の担当者)の事件に対する対応としては、たとえば、現実に労働者の方が、会社からリストラ等の通告を受けた、または受けそうであると思われる場合や、会社側が労働者からリストラ等の通告に対して不当であり撤回せよと回答を受けた場合などのように、労働事件となった、またはなりそうだと認められる時には、速やかに専門家である弁護士に相談し対応を考えることがベターであると考えられます。
 また、配置転換、出向における問題、セクハラ問題や、給与等における男女差別等の会社にまつわるさまざまな問題についても、当事者である労働者のみならず、当該労働者から相談された会社の人事、総務の担当者においても、まず、弁護士に法律相談をして、法的な観点から意見を聞き、判断の材料とするのも一つの対処方法であると考えられます。

 この労働事件につきましても、遠慮なく当事務所にご相談下さい

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