御器谷法律事務所

高齢者の財産管理−「高齢者と財産管理」

1. 高齢者の財産管理の特色
(1) 現在、日本では著しい勢いで高令化社会が進展しています。近所を見渡しても、知り合いのおじい様が老人ホームに入れられたり、おばあ様が娘のもとに同居するようになったとか、いわゆる老人病院に入ったとか、認知症の症状があらわれたとか、様々のことを見聞きするようになりました。
 高齢者の財産管理を考える場合、家族との同居の有無、一人暮らしか、病気がちか、介護が必要か、認知症の進行度合はどれ位か等、様々の問題と程度の違いがあります。その中でも特徴的なこととは高齢者の財産管理能力の減退が見られ、その程度も様々なものがあります。
 これらの点は、「シルバー・エイジの財産管理」でもお話ししたことともあり、又、法律上は高齢者の「財産管理契約」の問題でもあり、その後財産的判断能力の低下に応じて「任意後見制度」や「成年後見」の問題ともなってきます。
(2) 高令化社会においては、男性では定年退職後約20年間その所属する社会単位も異なってきて、会社人間以外の生きがいが必要となってもくるでしょう。
 家族の間で相続争いの前哨戦の様な事態を見ることもあり、高齢者の財産につき相続時にもめないように事前の備え、工夫をすることも必要であり、又、「遺言書の作成」も是非お勧めしたい点です。
(3) 高齢者の一人暮らしの方は、もしも病気になったときはどうするか、介護が必要なときはどうするのか等につき様々な不安をお持ちです。この際の財産管理につき、誰に、どのような方法で、財産の管理をまかせるかは切実な問題です。
 この点については、「財産管理契約」や「任意後見」と「成年後見」について別途説明いたします。
(4) その他、老人ホームの選び方や高令者を対象とした消費者被害、扶養の問題、高齢者の離婚や再婚等様々の問題があります。

2. 財産管理契約
(1) 高齢者の方で財産につき判断能力はそれ程減退してはいないが、将来の不安や病気の場合、さらには相当の財産を有している場合、その財産管理を誰かに依頼したいと考えることも多くあります。
 その場合には、子等の家族や親族が先ず考えられるでしょう。しかし、後日相続が発生した場合、子の財産管理につき他の相続人からクレームが発せられることを多く見聞きします。そのクレームは多分に感情的問題も含め際限なく繰り返されることもあり、十分事前に注意しなければならないでしょう。
 このようなトラブルを防ぐには、高齢者とこれらの財産を管理する人との間で明確な財産管理契約を締結することが必要と考えられます。
(2) この財産管理契約を締結するには、先ず、高齢者の方の収入と支出、資産と負債を明確に把握することが必要です。
 収入については、年金や不動産収入、預貯金の利息や株の配当金等明確にすべきでしょう。支出については、住居費、食費、衣服費、医療費、光熱費、通信費等の概算を明らかにし、ここ数ヶ月の月毎の収支一覧を作成するのも一方法でしょう。
 資産については、自宅の不動産、賃貸不動産、預貯金、株式等につき、その時価とともに一覧表化すべきでしょう。
(3) 高齢者の方については、自分自身でできる管理と自分ではできずに他の方にまかせたい管理とを明確に区別すべきです。
 この区別を明確に意識しておかないと管理契約の具体的内容がはっきりしてきません。
(4) 財産管理契約においては、誰に対して、何を、どのような方法で、いくらで依頼をするかが、重要な要素として問題となってきます。
1)
誰に対して− 最も信頼のできる人にすべきです。家族であれば後日相続時等に問題とならないよう十分な配慮が必要です。財産管理のプロである弁護士に依頼するのも一方法です。
2)
何を− 具体的な財産管理の対象を明らかにすべきです。生活費を主に対象とした管理とするのか、不動産を中心として依頼するのか、預貯金や株式はどうするのか否かを検討しておくべきでしょう。
3)
どのような
方法で−
生活費や預貯金の管理が中心なのか、不動産の管理をも含めたものにするかによって、その具体的管理方法が異なってきますので、その具体的内容を十分確認しておくべきです。
4)
いくらで− 委任の具体的内容とともに、委任に際しての報酬額と支払方法を明記すべきでしょう。月額いくらと定めることも多いものと思われます。
5)
以上の具体的な財産管理契約の内容については、これを書面化して、両当事者が署名捺印して各1通を保有でべきです。
なお、この契約継続中でも高齢者の判断能力が減退してきた場合には、その程度に応じて任意後見成年後見に移行することもあるでしょう。

 この高齢者と財産管理につきましても、遠慮なく当事務所にご相談下さい

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