御器谷法律事務所

相続Q&A

Q4-2.遺留分(いりゅうぶん)とは?

A. 回答

1. 遺留分とは、
 被相続人の遺産について、遺言によっても侵されない、配偶者・子・親らの一定の法定相続人が有する一定の割合のことを言います。
 民法第1028条以下に規定されています。
 人は、自分の財産をいかに処分するかの自由を有し、又、遺言においてもその有する財産を自由に処分できます。しかし、その人の配偶者や子らという特に親しい関係を有する人々は、その人の財産により生活の安定を図り相続による公平な分配につき期待を有しています。
 従って、この遺留分制度は、一方では被相続人の財産処分の自由を認めつつ、他方では被相続人と親しい関係にある法定相続人の生活の安定等を保護しようとするものです。
 ただし、遺留分を侵害する遺言書は、それ自体としては有効なものであり、遺留分権利者からの意思表示によって、その限りで贈与や遺贈が失効し返還請求ができることになるものであります。

2. 遺留分の割合
 遺留分の遺産に対する全体の割合は、その人々によって次のとおりです。
 なお、各人の具体的遺留分は、この全体の割合に各人の法定相続分を掛けて算出されます。
配偶者、子 1/2
直系尊属のみ 1/3
兄弟姉妹 0

 また、子が先に死亡しているときは、その子(被相続人の孫)が代襲相続人として遺留分を有します。

3. 遺留分の算定方法
 具体的遺留分の算定方法は、次のとおりとなります。
{(没時の遺産) (贈与額) −(債務)}×遺留分割合
生前贈与 ・没前1年間の贈与
・双方知なら1年前も可

4. 遺留分の行使方法
 遺留分を有する法定相続人やその承継人は、遺留分を保全するのに必要な限度で、遺贈及び贈与の効力を失わせる請求をすることができるものとされています。これを遺留分減殺請求権(いりゅうぶんげんさいせいきゅうけん)と言います(民法第1031条)。
 この、遺留分減殺請求権の法的性質は、形成権とされており、その意思表示により法律上当然に減殺の効力が生じ、対象となる目的物はその限りで当然遺留分権利者に帰属するものと解されています。
 なお、実務上は遺留分減殺請求権の行使は、非常に大事ですので、内容証明郵便で且つ配達証明にすることが多いものと思われます。

5. 遺留分行使の順序、割合
(1)遺留分減殺の順序(民法第1033条、第1035条)
 遺贈の減殺→贈与の減殺(後の贈与→順次、前の贈与へ)
(2)遺贈の減殺の割合(民法第1034条)
原則として、目的の価額に応じて減殺します。

6. 価額弁償の抗弁
 受贈者や受遺者は、減殺を受ける限度で、目的の価額を遺留分権利者に弁償して返還義務を免れることができるものとされています(民法第1041条)。これを「価額弁償の抗弁」と言います。
 この価額弁償は、抗弁として受贈者等が主張するものとされ、遺留分権者の方からその価額弁償を直接請求することは一般的には認められていませんが、実務上は価額弁償の金額をめぐっての争いが多くあります。
 そして、この価額の算定の基準時については、現実に価額弁償をするときの時価と解されており、判例(最高裁判所昭和51年8月30日判決)においては訴訟の事実審口頭弁論の終結時をもって目的物の価額算定の基準時とされています。

7. 遺留分と特別受益、寄与分
(1)遺留分と特別受益
 共同相続人の中に特別受益を受けた者があるときは、原則としてその贈与は遺留分算定の基礎となる財産として加算されるものと考えられています(民法第1044条、第903条)。
(2)遺留分と寄与分
 この点については民法上の明文の規定はないものの、一般的には遺留分を侵害することとなるような寄与分を認めることは、寄与分(民法第904条の2)の制度趣旨から実務上はありえないものとされているようです。

8. 遺留分の時効による消滅
 遺留分減殺請求額は、その権利者が相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間行使しないときは、時効により消滅するものとされています。また、相続開始のときから10年経過したときも同様とされています(民法第1042条)。
 従って、被相続人が亡くなったときは、遺留分を侵害する可能性のある生前贈与や遺贈を知ったときは、1年以内に速やかに遺留分減殺請求通知書を内容証明郵便且つ配達証明付にて発送すべきでしょう。

9. 遺留分の放棄
 相続の前において遺留分の放棄をするには、家庭裁判所に申請をしてその許可の審判が必要です(民法第1043条)。

 この遺留分(いりゅうぶん)につきましても、遠慮なく当事務所にご相談下さい

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