御器谷法律事務所
詐害行為の撤回
債権譲渡契約が詐害行為であるとして、受益者を名宛人として債権の一部に処分禁止の仮処分を得ている債権譲渡契約の取消訴訟係属中に、たとえ受益者が債権譲渡契約を撤回しても、その撤回は仮処分の範囲で債権者との間で無効であり、仮に既に弁済を受け受領した金銭を債務者に返還したとしても、取消権者がこれを承認しない限り取消権者に対して効力を生じないとした事例
東京地方裁判所平成12年7月6日判決

<本判決の要旨>

(1)本件仮処分決定において処分が禁止されている甲社の乙社に対する債権について

法は仮処分の目的物について仮処分債務者が仮処分解放金を供託した場合においても、本案の勝訴判決の確定まで還付請求権者が還付を受けて取得することを禁じているのであるから、仮処分債務者が仮処分の目的物である債権を詐害行為の債務者に任意に返還し、その処分を詐害行為の債務者の自由に委ねることは許されないというべきである。
したがって、本件仮処分決定の対象となった・・・債権について、詐害行為の撤回をしたとしても、右撤回は、原告との間で無効であるというべきである。

(2)本件仮処分の対象となっていない甲社の乙社に対する債権について

甲社の乙社に対する債権・・・は、・・・被告に支払われて消滅しているものであるから、このことにより原告は被告に対して価格賠償として右の弁済として受領した金額を請求でき、右価格賠償のために原告は詐害行為取消をする必要があるというべきである。
・・・また、仮に返還の事実が認められるとしても、前記のとおり被告が・・・万円を乙社から受領した時点で甲社の乙社に対する債権はその限度で消滅しており、また、このような撤回は詐害行為取消権の行使を行った意味を失わせるものであるから、取消権者がこれを承認しない限り取消権者に対して効力を生じないと解するべきである。

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