御器谷法律事務所
抵当権付不動産が、第三者に譲渡された場合でも、その別除権者は最後配当の除斥期間内に、別除権行使により弁済を受けられなかった債権額を証明しない限り配当より除斥されるとされた事案
大阪地方裁判所 平成13年 3月21日判決

《事案の概要》
 Xは、破産者A所有不動産につき根抵当権を有していたが、A破産管財人は、その別除権がついたまま、不動産をBに売却し、同不動産は破産財団から除外された。
 しかし、Xは、除斥期間内に、根抵当権の行使によって弁済を受けることができなかった債権額を証明することをしなかった。
 そこで、A破産管財人は、Xを配当に加える債権者として記載しないまま、配当表を作成したが、Xは、破産財団に属する財産の上に担保権を有するものではないから、全債権額により破産手続に参加できるとし、異議を申し立てた。

《争点》
 担保権付で破産財団に属する不動産が売却された場合、別除権付債権者が別除権者たる地位を喪失することになるのか。

《本判決の判断》
〈結論〉別除権者たる地位を喪失しない。
〈理由〉別除権者は、別除権の行使によって満足を受けられない債権額についてのみ破産債権を行使することができ(不足額責任主義、破産法96条)、別除権者が最後配当に関する除斥期間内に、別除権を放棄するか、または別除権の行使によって弁済を受けることができなかった債権額を証明するかしないかぎり配当から除斥される(破産法277条)。
 これは、破産債権者が、当該破産債権を被担保債権とする別除権を有しており、破産財団に属する特定の財産から破産手続によらないで優先的に弁済を受けることができる権利を確保しながら、更に、破産財団から他の破産債権者と同様に債権全額について配当を受けられるというのは、他の破産債権者を害し公平を欠くこととなるからである。
 そして、破産債権者が、破産財団に属する特定の不動産について、その破産債権を被担保債権とする抵当権あるいは根抵当権を有しており、破産債権の行使について別除権付破産債権として不足額責任主義に係る前記規定による制約を受ける場合において、破産管財人が、当該不動産を抵当権等をつけたまま第三者に対して譲渡したことがあっても、それによって、当該破産債権がその行使について別除権付破産債権としての前記制約を受けることに変わりはないと解すべきである。


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