御器谷法律事務所

個人年金保険契約の解約返戻金請求権の差押命令申立を認めた事案
平成13年6月22日大阪高等裁判所決定

《事案の概要》
X(債権者)が、Y(債務者)のZ(第三債務者:保険会社)に対する、個人年金保険契約の解約返戻金請求権の差押命令申立をした事案

《裁判所の判断》
・ 原審 Xの申立を却下
(1) 個人年金保険:差押禁止債権(民事執行法152条 1項 1号)
(2) 本件保険:老齢者の「生活保障」としての性質を有する
解約権については、もっぱら保険契約者の意思を尊重すべき行使上の一身専属的権利であり、債権者が解約権を代位行使することはできない      

・ 本決定 原決定取消、差戻し
民事執行法152条 1項にいう継続的給付とは、「(1)生計維持に必要な限度で (2)現に年金として支給が開始されているもの」に限られる
 本件:年金開始前の解約返戻金請求権を差押えの目的とするもの
  →X 民事執行法155条の取立権に基づいて解約権を行使できる
  なお、本件保険:「貯蓄目的」の保険契約

《本決定の意義》
個人年金保険契約の解約返戻金請求権の差押についても、生命保険の場合と同様(下記 1)の類型)、差押え可能としたところに本件の意義がある 

cf. 生命保険契約
1) 解約返戻金請求権 差押え可能(実務上の運用)
 cf. 最判H11.9.9 
 差押債権者が取立のために解約権を行使することを肯定
2) 保険事故発生後の保険金請求権  差押え可能(最判S45.2.27)
 現行法上、生命保険請求権を差押え禁止とする規定が存在しない


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