御器谷法律事務所

タレントと芸能プロダクションとの間の専属アーティスト契約の性質。プロダクション前代表者の脱税(有罪判決)による信頼関係の破壊による契約の解除
平成13年7月18日東京地方裁判所判決

1.本件マネジメント契約の性質
本件マネジメント契約は、原告が、被告の一定の指揮下において、同被告に対しアーティスト活動という労務を供給し、そのこと自体又は完成した仕事に対して、同被告から対価を得るという側面もあると認められ、雇用又は請負契約としての性質もまた存しているというべきである。
そうすると、本件マネジメント契約は、委任契約のほか、雇用又は請負契約としての性質が混合した無名契約と解するのが相当というべきである。

2. 前代表者の法人税法違反による逮捕
プロダクション前代表者は、法人税法違反の容疑で逮捕され、被告の事務所の捜索が行われ、そのことが広く報道されるに至った。その後、前代表者は懲役 1年10月執行猶予 3年、被告は罰金の有罪判決を受けたというのであり、上記信頼関係は、被告の前代表者の上記行為により、完全に破壊されるに至っていたとうべきである。

3. 解除は有効
原告が本件マネジメント契約を解除することはやむを得ない事由があったというべきである。そして、本件マネジメント契約が上記で説示したとおりの性質を帯有する無名契約と解されることにかんがみ、民法651条(委任)、628条(雇用)等の規定の趣旨を踏まえて検討すると、上記やむを得ない事由が認められる本件においては原告は被告に対し何らの損害賠償を行っていないけれども、本件解除は有効であると判断される。 


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