御器谷法律事務所

不動産のもとの所有者から不動産競売手続により不動産を取得した競落人に対する当該不動産の固定資産税及び都市計画税相当額についての不当利得返還請求の可否
平成13年7月31日東京高等裁判所判決

1.事案の概要
本件は平成12年 1月 1日時点で、当該不動産を所有していた控訴人が、同年中に同不動産を競売手続きにより取得した被控訴人に対し、同年度分の固定資産税及び都市計画税について、控訴人が全額の納税義務を負担し、被控訴人が全く納税義務を負わないのは、被控訴人の不当利得であるとして、これらの税額相当額及び延滞金相当額について返還を求めた事案。

2.判決要旨
地方税法は、固定資産税についていわゆる台帳課税主義を採用し、かつ、賦課期日は当該年度の初日の属する年の 1月 1日であると定めており、法律上の納税義務は、同日の所有名義人のみが負うとされていることが明らかである。また、都市計画税については、その賦課徴収は固定資産税の例によるものとされるとともに、その賦課期日は、当該年度の初日の属する年の 1月 1日とされており、都市計画税についても法律上の納税義務は、同日の所有名義人のみが負うとされていることが明らかである。
また、不動産の譲渡が、当事者間の合意によって行われる場合には、当事者間で固定資産税または都市計画税の相当額の負担について合意により調整することが可能であるが、不動産競売手続においては、その余地は全くない。
これらの事情を考慮すれば、不動産競売手続により不動産を取得したものが、その不動産について、取得日が 4月 1日から翌年 1月 1日までの間である場合にあっては、当該年度に係る固定資産税相当額、取得日が 1月 2日から 3月31日までの間である場合にあっては、当該年度及び翌年度に係る固定資産税相当額を負担しないとしても、その不動産競売手続において上記固定資産税等相当額を買受人に負担させることを前提として不動産の評価がされ、最低売却価格が決定されたなどの特段の事情のない限り、上記固定資産税相当額を不当に利得したということはできないというべきである。

3.結論
控訴棄却


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