御器谷法律事務所
瑕疵担保による損害賠償と消滅時効について
大阪高裁平成13年11月27日判決

1. 事案について
本件は、乙から土地を購入した甲が、この土地に隠れた瑕疵があったと主張して、乙に対し瑕疵担保による損害賠償を請求した事案である。甲がこの請求をしたのは、瑕疵(道路位置指定)を発見してから 1年以内であり、民法570条、566条 3項所定の除籍期間内であったが、売買契約及び土地引渡しから20年以上経過した後であったため、甲の損害賠償請求権につき消滅時効の規定の適用があるかどうかが争点となった。

2. 裁判所の判断
(1) 結論(判決)
破棄差し戻し。

(2) 理由
買主の売主に対する瑕疵担保による損害賠償請求権は、売買契約に基づき法律上生ずる金銭支払請求権であって、これが民法167条 1項にいう「債権」に当たることは明らかである。この損害賠償請求権については、買主が事実を知った日から 1年という除籍期間の定めがあるが(同法570条、566条 3項)、これは法律関係の早期安定のために買主が権利を行使すべき除籍期間の定めがあることもって、瑕疵担保による損害賠償請求権につき同法167条 1項の適用が排除されると解することはできない。さらに、買主が売買の目的物の引渡しを受けた後であれば、遅くとも通常の消滅時効期間の満了までの間に瑕疵を発見して損害賠償請求権を行使することを買主に期待しても不合理でないと解されるのに対し、瑕疵担保による損害賠償請求権に消滅時効の規定の適用がないとすると、買主が瑕疵に気づかない限り、買主の権利が永久に存続することになるが、これは売主に過大な負担を課するものであって、適当といえない。

したがって、瑕疵担保による損害賠償請求権には消滅時効の規定の適用があり、この消滅時効は、買主が売買の目的物の引渡しを受けた時から進行すると解するのが相当である。

(3) 本件においては、被上告人が上告人に対し瑕疵担保による損害賠償を請求したのが本件宅地の引渡しを受けた日から21年余りを経過した後であったというのであるから、被上告人の損害賠償請求権については消滅時効期間が経過しているというべきである。


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