御器谷法律事務所

東京地方裁判所に本店が福岡市にある株式会社に対する会社更正手続開始申立がなされたが、福岡地方裁判所に専属管轄があるとされて、開始決定が取り消され、福岡地方裁判所に移送する決定がなされた事案
平成14年5月30日東京高等裁判所決定

1. 裁判所の決定
 (1) 原決定を取消す。
 (2) 本件を福岡地方裁判所に移送する。

2. 理由
 一件記録によれば、原審裁判所には、抗告人マイカル九州に対する本件会社更正手続開始申立事件とは別に、抗告人マイカル九州の発行済み株式の99.3%を保有し、同抗告人の全債務のうち70%を超える債権を有する相手方(本店所在地大阪市)について会社更生手続開始の申立がされ、原審裁判所は、その開始決定をしたことが認められるが、もとより、抗告人マイカル九州が相手方とは独立した別法人であることはいうまでもなく、その本店が名目的なものであって、実際上の本店又は営業所が原審裁判所の管轄区域内に存在しているというのであれば格別、抗告人マイカル九州は、九州地方において11店舗の直営店を経営する会社であって、東京都内には営業所すら存在せず、債権者の99%に当たる670社の本店所在地も九州地方に存在するのであるから、抗告人マイカル九州の営業が親会社である相手方の営業と一体であるとは到底いえないうえ、そもそも、原審裁判所は、相手方の本店所在地である大阪市を管轄する裁判所ですらない。原決定は、それにもかかわらず、更生会社である相手方の本店所在地をその管財人の事務所所在地である東京都としたうえで、さらに同所をもって相手方の子会社である抗告人マイカル九州の本店所在地とし、原審裁判所に本件会社更生手続開始申立事件の管轄があるというものであって、もはや専属管轄について定めた会社更生法6条の解釈の域を超えたものであり、本件会社更生手続開始申立事件の被申立人である抗告人マイカル九州や多数の債権者が異を唱えていることに鑑みても、これを看過することはできない。


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