御器谷法律事務所
抵当権に基づく物上代位権の行使としてされた債権差押命令に対する執行抗告においては、被担保債権の不存在又は消滅を執行抗告の理由とすることはできないとされた事案
最高裁判所 第 1小法廷 平成14年 6月13日判決

《事案の概要》
 Aは、抵当権に基づく物上代位権の行使として、抵当不動産の所有者BがXに対して有する同不動産の賃料債権につき、債権差押命令の申立をした。
 執行裁判所がこれを認めたため、Xは執行抗告をしたが、原審がこれを棄却したところ、Xが許可抗告の申立をした。

《裁判所の判断》
〈結論〉Xの抗告を棄却。
 抵当権に基づく物上代位権の行使としてされた債権差押命令に対する執行抗告においては、被差押債権の不存在又は消滅を執行抗告の理由とすることはできない。

〈理由〉
(1) 執行裁判所は、担保権の存在を証する文書が提出されたときは、申立てに係る被差押債権が物上代位の目的となる債権に該当するかぎり、その存否について考慮することなく、物上代位権の行使による差押命令を発すべきものである。
(2) 第三債務者は、被差押債権の存否について、抵当権者が提起する当該債権の取立訴訟等においてこれを主張することができ、被差押債権の一部又は全部が存在しないときは、その部分につき執行が功を奏しないことになるだけであってそのような債権につき債権差押命令が発付されても第三債務者が法律上の不利益を被ることはない。 

cf.
民事執行法§193 (2) :下記条項を準用
同法§145 (5) :債権差押命令の申立についての裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
同法§182 :不動産競売の開始決定に対する執行異議の申立てにおいては、債務者又は不動産の所有者は、担保権の不存在又は消滅を理由とすることができる。


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