御器谷法律事務所

満期白地手形の満期日を補充するにあたっては、手形授受の当事者間の合意及びその解釈によって決定されるべきであると判断とされた事案
平成14年7月4日東京高等裁判所判決

《本判決の判断》
1. 手形の白地補充権は、それ自体で法的効果を発生させるものではなく、一種の権限と言うべき。従って、満期の記載のない白地手形の場合にも補充権の消滅時効そのものを論ずるべきではなく、手形外の補充に関する合意の問題として考えるのが正当である。
2. 本件約束手形は、貸金債務の支払いの担保のために振り出されたものであり、(本件の事情のもとでは、)手形授受の当事者間においては、本件約束手形の満期は貸金債務の支払いが遅滞したときから相当期間内の日を補充する旨の合意があったものと認めるのが相当である。そして、約束手形上の債権は3年で時効消滅すること(手形法77条、70条)からすれば、その相当期間は最長でも3年を超えることはないものと解するのが相当である。
3. そのうえで、このような手形外の補充に関する合意の範囲の逸脱の問題は、手形法10条の律するところに委ねてよいと考えられる。

cf. 白地手形の補充権は商法522条により5年の時効によって消滅する(最判昭44.2.20)。しかし、満期が記載されている白地手形の白地補充権は、手形上の権利と別個独立に時効によって消滅しない(最大判昭45.11.11)。

《本判決の意義》
 従来の判例については、満期白地手形と満期以外の手形要件が白地の手形とで、扱いが異なるとの批判があったところ、これと異なる見解を示した点に本判決の意義があります。


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