御器谷法律事務所
協議離婚に際して、未成年の子の親権者を夫婦の一方とした協議の無効を主張して親権者指定協議無効確認訴訟を提起することができるとされた事案
東京高等裁判所 平成15年 6月26日判決

 本件は、協議離婚をした元夫婦の一方である控訴人が、離婚意思及び離婚届出意思の存在はみとめつつ、すなわち、協議離婚の成立は認めながら、離婚届に記載された未成年の子の親権を行う者の記載に沿う、親権者を定める協議における合意の不存在を主張しているものである。一般にこのような場合、親権者指定の合意の不存在あるいは無効を主張する元夫婦の一方は、戸籍法114条により、家庭裁判所の許可を得て、戸籍に協議離婚届に基づいて記載された親権者を父又は母と定める記載の訂正(抹消)をすると共に、改めて元の配偶者と親権者を定める協議を行うか、その協議が調わないものとして家庭裁判所へ親権者指定の審判を求めることが考えられる。この場合、戸籍法114条による戸籍訂正の許可を求める審判手続においても、親権者指定の審判手続きにおいても、親権者を定める協議の不存在あるいは無効の主張の当否が判断の中心の一つとなるものと予測されるが、戸籍訂正の許可を求める審判手続では相手方配偶者は当事者ではないし、戸籍訂正の審判も親権者指定の審判も、親権者を定める協議の不存在あるいは無効について判断がされても、その判断に既判力ははく、紛争が蒸し返される可能性がある。
 このようなことを考えると、協議離婚をした元夫婦の一方は、他方を被告として親権者指定協議無効確認の訴えを提起することも許されるものと解するのが相当である。
 このような訴訟は、人事訴訟手続法に定められた人事訴訟の類型ではなく、また、現在解釈上人事訴訟の類型として認められている訴えではないが、事案の性質に鑑み、離婚無効確認訴訟と同様に解釈上人事訴訟として、手続や効果を規律するのが相当である。


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