御器谷法律事務所

生命保険契約における死亡保険金請求権について、被保険者の遺体発見までの間は、消滅時効が進行しないとされた事案

最高裁判所第1小法廷 平成15年12月11日判決

《事案の概要》
X´Y(保険会社) 保険契約締結
H 4. 5.17 X´行方不明となる
H 8 1. 7 X´の遺体発見(H 4. 5ころ死亡と推定)
H 8.11. 7 X´相続人X(被上告人)→Y(上告人) 保険金請求

《本判決の判断》
 本件各保険契約に係る保険約款(以下「本件約款」という。)には、保険金請求権
の時効による消滅について、保険金を請求する権利は、支払事由が生じた日の翌日からその日を含めて3年間請求がない場合には消滅する旨の定め(以下「本件時効消滅条項」という。)がある。また、本件約款には、上記終身保険及び定期保険特約の支払事由は、いずれも「被保険者が死亡したとき」と定められており、上記傷害特約の災害死亡金の支払事由は、「不慮の事故による傷害を直接の原因として、その事故の日から起算して180日以内に被保険者が死亡したとき」と定められている。
(中略)
 上記の事実によれば、Xの本件各保険契約に基づく保険金請求権については、本件約款所定の支払事由(X´の死亡)が発生した時からX´の遺体が発見されるまでの間は、当時の客観的な状況等に照らし、その権利行使が現実に期待できないような特段の事情が存したものというべきであり、その間は、消滅時効は進行しないものと解すべきである。そうすると、本件消滅時効については、X´の死亡が確認され、その権利行使が現実に期待できるようになった平成8年1月7日以降において消滅時効が進行するものと解されるから、Xが本件訴訟を提起した同年11月7日までに本件消滅時効の期間が経過していないことは明らかである。


執務の方針| 弁護士のプロフィール| 取扱事件 | ご案内 顧問契約 |

弁護士費用 | 事務所案内図 | リンク| トップ