御器谷法律事務所
当時の国立大学医学部附属病院が、同病院内で起きた医療事故の状況等について、当時の文部省に報告するために作成した文書及び同病院内で病院長等に報告するために作成された文書が、民訴法二二〇条四号ロに該当すると判断された事例
広島高等裁判所岡山支部 平成16年4月6日決定

 抗告人らは、民事訴訟法二二〇条四号ロにいう「公務員の職務上の秘密」とは、公権力作用にかかわる職務上の秘密をいうのであり、本件のような非権力作用に関する職務上の事項については該当しないと主張する。
 確かに、国が運営する医療機関による医療行為は、純然たる私経済作用であって、国家賠償法一条にいう「公権力の行使」には当たらないというべきである。しかし、訂正の上引用した原決定が認定するとおり、本件各文書は、本件医療事故について、行政庁内部において、相互に自由かつ率直な意見交換を行うことにより、将来の医事紛争が予想される患者らとの交渉ないし訴訟追行に向けての対応・方針を検討することを目的として作成されたものであって、非公知の事項に関するものであり、かつ、紛争当事者としての国の円滑な交渉ないし訴訟追行の適正を確保するために実質的にも秘密として保護するに値する事項に関するものであるから、非権力作用に関する職務上の事項であるがゆえに「公務員の職務上の秘密」に当たらないとするのは相当でない。抗告人らの主張は採用できない。


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