御器谷法律事務所
最高裁(第三小法廷) 平成17年2月22日判決
動産売買の先取特権者は、物上代位の目的債権が譲渡され、第三者に対する対抗要件が備えられた後には、目的債権を差し押さえて物上代位権を行使することができないとされた事案

《事案の概要》
 次の事実関係の下において、被上告人(X)が上告人(Y)に対し、転売代金の支払を請求
1. A→B 本件商品(動産)売却
2. B→Yら 上記商品転売
3. B’(破産管財人)→X 上記転売代金債権譲渡(対抗要件具備)
4. A→Y 動産売買先取特権に基づく物上代位権の行使として2.の債権差押(裁判所は差押命令発令のうえ送達)
5. X→Y 転売代金支払請求

《最高裁の判断》 上告棄却
「民法304条1項ただし書は、先取特権者が物上代位権を行使するには払渡し又は引渡しの前に差押えをすることを要する旨を規定しているところ、この規定は、抵当権とは異なり公示方法が存在しない動産売買の先取特権については、物上代位の目的債権の譲受人等の第三者の利益を保護する主旨を含むものというべきである。そうすると、動産売買の先取特権者は、物上代位の目的債権が譲渡され、第三者に対する対抗要件が備えられた後においては、目的債権を差し押さえて物上代位権を行使することはできないものと解するのが相当である。(中略)以上と同旨の原審の判断は正当として是認することができる。所論引用の判例(最高裁平成9年(オ)第419号同10年1月30日第2小法廷判決・民集52巻1号1頁、最高裁平成8年(オ)第673号同10年2月10日第3小法廷判決・裁判集民事187号47頁)は、事案を異にし、本件に適切ではない。論旨は、採用することができない。」


執務の方針| 弁護士のプロフィール| 取扱事件 | ご案内 顧問契約 |

弁護士費用 | 事務所案内図 | リンク| トップ