御器谷法律事務所
最高裁判所第1小法廷 平成17年11月18日判決
遺産分割未了の際に生じた二次相続につき特別受益による持戻しを要するとした判決
二次相続人の取得した共有持分権は、二次相続人の遺産を構成するとする「遺産説」を採ることを明示した初めての最高裁判決

 遺産は、相続人が数人ある場合において、それが当然に分割されるものでないときは、相続開始から遺産分割までの間、共同相続人の共有に属し、この共有の性質は、基本的には民法二四九条以下に規定する共有と性質を異にするものではない。
 そうすると、共同相続人が取得する遺産の共有持分権は、実体上の権利であって遺産分割の対象となるというべきである。
 本件における親及び配偶者の各相続の経緯は、親が死亡してその相続が開始し、次いで、親の遺産の分割が未了の間に親の相続人でもある配偶者が死亡してその相続が開始したというものである。そうすると、配偶者は親の相続の開始と同時に、親の遺産にについて相続分に応じた共有持分権を取得しており、これは配偶者の遺産を構成するものであるから、これを配偶者の共同相続人である抗告人(子)及び相手方(子)に分属させるには、遺産分割手続を経る必要があり、共同相続人の中に配偶者から特別受益に当たる贈与を受けた者があるときは、その持戻しをして各共同相続人の具体的相続分を算定しなければならない。
 以上と異なり、審判によって分割すべき配偶者の遺産はなく、配偶者との関係における特別受益を考慮する場面はないとした原審の判断には、裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるというべきである。


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