御器谷法律事務所
最高裁判所(第二小) 平成18年4月14日判決
本訴及び反訴が継続中に、反訴請求債権を自働債権とし、本訴請求債権を受働債権として相殺の抗弁を主張することは禁じられないと判断された事案

《事案の概要》
H5 注文主→請負人 (1) 建物の瑕疵修補に代わる損害賠償又は不当利得を根拠とする5304万円請求(本訴)
H6 請負人→注文主 (2) 請負残代金2418万円請求(反訴)

 請負人の相続人(上告人)は、H14、(2)の債権を自働債権、(1)の債権を受動債権とする相殺の意思表示をし、本訴請求についての抗弁として主張。

《原審の判断》
 ((1)の認定額−(2)の認定額=)654万円及びこれに対するH6からの遅延損害金を認定。  
∵ 反訴の提起=相殺の意思表示

《最高裁判所の判断》
 ((1)の認定額−(2)の認定額=)654万円及びこれに対するH14からの遅延損害金を認定(原判決を変更)。

本訴及び反訴が継続中に、反訴請求債権を自働債権とし、本訴請求債権を受働債権として相殺の抗弁を主張することは禁じられないと解するのが相当である。
 この場合においては、反訴原告において異なる意思表示をしない限り、反訴は、反訴請求債権につき本訴において相殺の自働債権として既判力ある判断が示された場合にはその部分については反訴請求としない趣旨の予備的反訴に変更されることになるものと解するのが相当であって、このように解すれば、重複起訴の問題は生じないことになるからである。」 
 
∵ 請負人が請負代金債権を自働債権として瑕疵修補に代わる損害賠償債権と相殺する旨の意思表示をした場合、請負人は、注文者に対する相殺の意思表示をした日の翌日(H14)から履行遅滞による責任を負う。

《参考》
継続中の別訴において訴訟物となっている債権を自働債権として他の訴訟において相殺の抗弁を主張することは重複起訴を禁じた民訴法142条の趣旨に反し許されない(最高裁第三小平成3年12月17日)

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