御器谷法律事務所
最高裁判所 平成19年7月5日判決
被担保債権の範囲を保証委託取引により生ずる債権として設定された根抵当権の被担保債権に、信用保証協会の根抵当債務者に対する保証債権は含まれない。

《事案の概要》

《判決》
 (1) 第1審−Xの請求を認容
 (2) 第2審−Xの請求を棄却
 「信用保証協会との間で、被担保債権の範囲を「保証委託取引による一切の債権」とする根抵当権設定契約を締結する者の合理的意思にかんがみると、「保証委託取引による一切の債権」には、法定された信用保証協会の業務に関する当該当事者間の取引から生じた一切の債権が含まれると解するのが相当である。」

《最判》
 「民法三九八条の二第二項は、根抵当権の担保すべき債権の範囲は債務者との特定の継続的取引契約によって生ずるものその他債務者との一定の種類の取引によって生ずるものに限定して定めなければならない旨規定しており、前記事実関係によれば、本件根抵当権は、同項に基づき、担保すべき債権の範囲を根抵当債務者であるCとの「保証委託取引」によって生ずるものに限定するものであることが明らかである。そして、信用保証協会と根抵当債務者との保証委託取引とは、信用保証協会が根抵当債務者の依頼を受けて同人を主債務者とする債務について保証人となる(保証契約を締結する)こと、それに伴って信用保証協会が根抵当債務者に対して委託を受けた保証人として求償権を取得すること等を主たる内容とする取引を指すものと理解され、根抵当債務者でない者が信用保証協会に対して負担する債務についての根抵当債務者の保証債務は、上記取引とは関係のないものといわなければならない。同項の規定する「一定の種類の取引」は、被担保債権の具体的範囲を画すべき基準として第三者に対する関係においても明確なものであることを要するものであり、「保証委託取引」という表示が、法定された信用保証協会の業務に関するすべての取引を意味するものと解することもできない。
 以上によれば、被担保債権の範囲を保証委託取引により生ずる債権として設定された根抵当権の被担保債権に、信用保証協会の根抵当債務者に対する保証債権は含まれないと解すべきである。」

《参照条文》
民法第398条の2・(2)
「前項の規定による抵当権(以下「根抵当権」という。)の担保すべき不特定の債権の範囲は、債務者との特定の継続的取引契約によって生ずるものその他債務者との一定の種類の取引によって生ずるものに限定して、定めなければならない。」

執務の方針| 弁護士のプロフィール| 取扱事件 | ご案内 顧問契約 |

弁護士費用 | 事務所案内図 | リンク| トップ