御器谷法律事務所
東京地方裁判所 平成19年10月25日判決 (控訴)
建物賃借人の原状回復義務として、建物賃貸人が支出した土壌調査費用及び土壌汚染対策工事費用相当額の損害賠償請求が認められた事案

《事案の概要》 
 「本件は、反訴原告が、反訴被告に対し、反訴被告が反訴原告から賃借した建物を工場として利用し、その間に鉛やトリクロロエチレンを流出させて土壌を汚染したにもかかわらず、工場の廃止後、工場廃止届を提出せず、汚染物質を除去しないで(建物の敷地を)明け渡したことにより、土壌調査費用及び土壌汚染対策工事費用相当額の損害を被ったとして、不法行為又は債務不履行に基づいて損賠賠償を請求する事案である。」

S50以降 反訴原告→反訴被告 本件建物賃貸
建物利用目的:溶射技術センター
H10 反訴被告 本件建物明け渡し
(反訴被告が知事への工場廃止届の提出懈怠)
H14-15 土壌汚染対策法成立
板橋区土壌汚染調査・処理要綱決定
H17 板橋区の要請により本件土地の土壌汚染状況概況調査等実施、調査のため273万円支出。さらに、土壌汚染対策工事等のため1890万円を出演

《判旨》 
 「以上のとおりであって、本件土壌汚染は、被告の溶射作業(トリクロロエチレン及び鉛の使用)が原因で発生したものと認められる。
 そして、賃借人は、建物の賃貸借においては、敷地である土地についても、これを原状に復した上で返還する義務を負っているのであり、被告は、本件土地について汚染物質を取り除き原状に復した上で原告に返還しなければならず、土壌汚染を除去しないまま本件建物及び本件土地を返還した被告は、債務不履行に基づく損害賠償責任を負う。」

 「本件土壌調査は、被告が本件土地の土壌を汚染しておきながら明渡し時に土壌汚染を除去しなかったことが原因で命じられたものであり、被告による土壌汚染と本件土壌調査との間には因果関係が認められる。
 以上のとおりであって、被告人の債務不履行と本件土地の調査費用相当額の負担との間には相当因果関係が認められ、上記費用相当額も、被告において賠償すべき損害であると認められる。」


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