御器谷法律事務所
最高裁判所 平成20年1月28日判決
旧商法266条1項5号による会社から取締役に対する損害賠償請求権の消滅時効期間

《事案の概要》
 経営破たんした銀行Aから債権譲渡を受けたX(整理回収機構)が、A社の元取締役Yらが融資をなすに際しての善管注意義務違反があったとして、Yらに損害賠償請求をなした。

《争点》
 旧商法266条1項5号による会社から取締役に対する損害賠償請求権の消滅時効期間は、5年か10年か

《裁判所の判断》
[一審・原審] 民法167条により、10年

[上告審] 上告棄却
 「これらのことからすれば、商法266条1項5号に基づく取締役の会社に対する損害賠償責任は、取締役がその任務を懈怠して会社に損害を被らせることによって生ずる債務不履行責任であるが、法によってその内容が加重された特殊な責任であって、商行為たる委任契約上の債務が単にその態様を変じたにすぎないものということはできない。また、取締役の会社に対する任務懈怠行為は外部から容易に判明し難い場合が少なくないことをも考慮すると、同号に基づく取締役の会社に対する損害賠償責任については商事取引における迅速決済の要請は妥当しないというべきである。したがって、同号に基づく取締役の会社に対する損害賠償債務については、商法522条を適用ないし類推すべき根拠がないといわなければならない。
 以上によれば、商法266条1項5号に基づく会社の取締役に対する損害賠償請求権の消滅時効期間は、商法522条所定の5年ではなく、民法167条1項により10年と解するのが相当である。」


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