御器谷法律事務所

借家の更新料

1. 大阪高等裁判所平成21年8月27日判決−更新料は無効
 判決のポイント
借家の更新料特約が有効か、無効かにつき、2つの高等裁判所が無効と有効との判断が分かれています。(大阪高等裁判所平成21年10月29日判決−更新料は有効)
 主に消費者契約法第10条や民法第90条の公序良俗違反の有無が問題とされています。
 借家の更新料については、東京都・神奈川県・千葉県では相当な高い割合で更新料を取っています。これに対して、大阪や京都では余り更新料を取っていない事例も多く、地域間で差が顕著とも言えます。
 今後の最高裁判所の判決が注目されます。

2. 事案の概要
 居住用建物の借家契約、賃料月4万5,000円、1年の賃貸借期間、更新料10万円を支払う特約あり。

3. 判旨
 本件更新料約定の下では、それがない場合と比べて控訴人に無視できないかなり大きな経済的負担が生じるのに、本件更新料約定は、賃借人が負う金銭的対価に見合う合理的根拠は見出せず、むしろ一見低い月額賃料額を明示して賃借人を誘引する効果があること、被控訴人側と控訴人との間においては情報収集力に大きな格差があったのに、本件更新料約定は、客観的には情報収集力の乏しい控訴人から借地借家法の強行規定の存在から目を逸(そ)らせる役割を果たしており、この点で、控訴人は実質的に対等にまた自由に取引条件を検討できないまま当初本件賃貸借契約を締結し、さらに本件賃貸借契約に至ったとも評価することができる。
 このような諸点を総合して考えると、本件更新料約定は、「民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するもの」ということができる。
 以上のとおりであるから、本件賃貸借契約に定められた本件更新料約定は、消費者契約法10条に違反し、無効であるというべきである。
 したがって、控訴人が平成14年から平成17年までの毎年8月末の更新時期とされる時期に被控訴人に支払った毎回10万円合計40万円の更新料は、法律上の原因なくして支払われたといわなければならない。

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